「若い時の苦労は買ってでもせよ」とはよく聞く言葉だけれど、どうして苦労しないといけないの?
本当に苦労した方がいいの?
しなくていい苦労もあるのでは?
一言で「苦労」と言っても、苦労と感じるかどうかは人それぞれ。
「あの人は苦労人だから」と他人から言われても、本人は「これくらい苦労のうちに入らない」と思っている場合もあれば、「苦労した苦労した」と本人はいかにも大変だったと訴えても、他人からは「大した苦労もしていないのに」と思われることもあります。
若い時に苦労するとどんな良いことがあるのか、しない方が良いと思うような苦労をしてしまったとき、どのように考えれば生きるのがラクになるか。
今日はそういうお話しをしてみようと思います。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」の「苦労」の意味
「若い時に苦労した方が良い」という言葉を言い換えると、「若い時にたくさん挑戦し、たくさん失敗をして、そこから多くを学ぶと良い」という意味だと思います。
また「若い時につらい経験をすることで、他人を思いやれるようになる」ということでもあります。
人は苦労や失敗により成長する
挑戦やそれに対する失敗などを「苦労」とは思わない人もいるかもしれませんが、失敗について考えてみましょう。
失敗は誰しも出来ればしたくはないものです。
失敗すれば叱られたり責められたり恥をかいたり。
何か物事を始めれば誰でも必ずと言って良いほど失敗します。
けれども、その失敗を反省したり分析し改善していくことで人は成長していけます。
失敗は悪いことと思われがちですが、人が成長するためには大切なものでもあります。
なぜ「若い時の苦労は買ってでもする」と良いのか
若い時に限らず、人はいくつになっても失敗をするものですが、やはり若いうちにたくさんする方が得なことがあります。
失敗に対しての周りの反応というのは、「若気の至り」という言葉まであるように、やはり若い人に対しては寛容な傾向があります。
同じ失敗をしても20歳の人と40歳の人では周りの反応は違ったものになるでしょう。
痛い思いをして多くを学ぶと、残りの人生でそれを活かしてより良く生きられるので、若い時に学んだ方が人生をより良く生きられる期間も長くなりますし、若いとやり直すチャンスが多くあります。
何かに挑戦するにしても、仕事や家庭を持つことや健康上の理由などから、年齢を重ねるほど制約が増え、自由に挑戦出来る環境ではなくなることもあり得ます。
そういう意味から「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われるのでしょう。
ただ、自分らしい生き方を選ぶのであれば年齢にかかわらず挑戦するのは素晴らしいことだと思います。
挑戦して失敗して学んでまた挑戦をして…という経験が出来るのは、年齢にかかわらず幸せなことです。
しなくていい苦労
若い時にする苦労がしていい苦労だとすれば、しなくていい苦労もあるのではないか。
たとえば災害や虐待、DVなど何らかの被害をこうむるといった、自分の意に沿わない苦労というものも存在します。
必ずしも人は苦労から学ばなければならない、ということではありませんが、自分に落ち度のない災厄からでさえ、人は学ぶことが出来ます。
苦労、つらい苦しい思いをして初めてわかることがあり、他の人の痛みを理解したり想像できるようになります。
もし、あなたがしなくていいのではと思う苦労をし、それを苦労のままで終わらせたくないのであれば、学びをその後の人生に活かすことが、つらい気持ちを手放していくことにつながります。
苦労を無駄にしない
出来れば苦労なんて誰もしたくはないものですが、そこから学びその後の人生に活かせるとその苦労は無駄にはなりません。
また、苦労を体験するということは、どんなことも当たり前ではないことを実感として知ることも出来ます。
大きな苦労をせず順調に人生が送れる時にも、それに感謝して生きていけるようになります。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」とは、若い時に経験したつらいことから学び成長することで、その後の人生にプラスとなるよということです。
それがたとえ、しなくてよかった、またはするべきではなかったとさえ思うことであっても、人はそこから学ぶことでその後の人生を良い方向へ変えていけます。