本格的な肌色の作り方|わずか数色の絵の具でねらい通りの肌色を作る

絵の具のセットに肌色がなかったというあなた、おめでとうございます。

肌色は自分で絵の具を混ぜて作る方が、自然で思い通りの色にすることが出来ます

私はこれまで数年リアル系似顔絵の仕事をさせていただいたので、相当な回数肌色を作ってきたと思います。

先日ネット上で三原色を使った肌色の作り方というのを見つけたのですが、私はいつも他の色で肌色を作っているので、面白いなと思いました。

今回は私なりの色の組み合わせでの肌色の作り方をご紹介し、せっかくなので三原色で作る肌色とどう違うか、実際に肌色を作って比較してみようと思います

ちなみにこの肌色の作り方は、絵の具の種類を問いません。

シンプルな絵の具セットの中に入っている絵の具の色だけで作れます。

あなたの使っておられる絵の具が水彩絵の具でも、ポスターカラーでもアクリル絵の具でも、肌色の作り方の基本は同じと考えていただいて大丈夫です。

肌色以外の絵の具全般についての混色のコツはこちらの記事もご参考にどうぞ。

肌色を作る前に知っておいてほしいこと

私なりの肌色の作り方をご紹介する前に、ひとつお伝えしておきたいことがあります。

それは、これが正解と鵜呑みにせず、これを参考にしながらご自身の色の感覚を信じてほしいということです。

私は美大受験のためにデッサン教室に通っていたことがあるのですが、そこの先生に「肌色は○○と○○と○○で作る」と聞いたのを素直に受け止めすぎて、その色しか使えなくなってしまった時期がありました。

自分の思っている肌色とは少し違うように感じながら「先生の仰ることだからこれが正解」と、他の色の選択肢を捨ててしまったのです。

やっぱりどう考えてもこの肌色じゃないと確信に変わったとき、ようやく他の色を微量混ぜてみるなど工夫して自分なりに作り、理想の肌色に近付けることが出来ました。

どんな絵にするかによっても肌色の表現は変わってきますので、こんな作り方もあるんだなと参考に見ていただけたらと思います。

肌色の作り方

それでは早速肌色を作っていきましょう。

使う絵の具の色はホワイト・ピンク・黄緑・レモンイエロー・オレンジです。(透明水彩など透明色はホワイトはいりません。)

絵の具の種類やメーカーさんによって色の名前は異なる(ピンク⇒オペラなど)と思いますが、目で見たときの色で判断してもらって大丈夫です。

ホワイトをベースにピンクを混ぜ、黄緑とイエローを様子を見ながら足していきましょう。

このままでも良いのですが、ここにわずかにオレンジを入れることで色が落ち着き、健康的に見え、肌色に日本人っぽさが出ます。

オレンジはピンクとレモンイエローの混色で出来るので、無くても良さそうなのですが、混色のオレンジより純度の高いオレンジを少量足す方が、くすまずパッと色が変わる気がするので、私はオレンジも用意しています。

それぞれの色の配合の比率を変えることで、色んな肌色を作ることが出来ます。

肌色を三原色で作ってみた

私がネットで見かけた肌色の作り方は、赤・青・黄色の三原色の絵の具で作るというもの。

青+黄色(多め)⇒黄緑

赤+黄色⇒オレンジ

赤+白⇒ピンク系 (赤と白を混ぜてもピンクの絵の具のような色にはなりません)

このように考えると、使う絵の具の色が異なるようでも、私の肌色の作り方と似ている気がします。

実際に作るまでは、もっとくすんだりするのかなと思っていましたが、良い感じの肌色になりました。

わりと日本人っぽい肌色になりました。

三原色で作る肌色は、例えば子供など、少し日焼けしたような健康的な肌色に向いているかもしれません。

肌色の作り方 応用編

私ははじめにご紹介した5色の絵の具の分量を調節することで、いろんな肌色を作っています。

男性や健康的な肌色を作るときはピンク、黄緑、オレンジの量を増やして調節します。(三原色で作るのも良いと思います。)

女性など色白の肌色を作る場合は、白やピンクを多めにします。

白人の肌色を作る場合は、私は三原色は合わないと感じました。

ピンクと黄緑を使い、レモンイエローは全く入れないか、入れてもごく微量にとどめます。

オレンジも控えます。ごく僅かに水色を混ぜることがあります。

黒人の肌色を作るのも今回初めてでしたが、ピンクと黄緑をたっぷり使い、様子を見ながらオレンジとブラックを加えて作りました。

下の画像の上段の色はホワイトもブラックも無し、下段の色はブラック有りです。

まとめ

今回実際に肌色を作ってみてすぐに感じたのは、ピンクや黄緑を使った混色だとブルべ系、三原色を使った混色だとイエベ系の肌色を作りやすいということです。

同じ色の組み合わせを使っても、それぞれの色の量を加減することで色々な肌色を作り、描き分けることが出来ます。

絵の具を混ぜるときにはホワイトをベースに、少しづつ色を足していくと作りやすいと思います。

肌色はひとりひとり色味が異なり、表現したい肌色も人それぞれだと思います。

ご紹介した肌色の作り方を参考に、配合を工夫して作ってみてください。

何か違うと感じたら、他の色も試してみてください。

私は絵によっては僅かに紫を入れたり、緑を入れたこともあります。

描く絵によってはしっかりした色を付けず、もっと白っぽくした方が調和がとれる場合もあります。

あなた好みの肌色が出来ますように。

ABOUT US
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ミラデザイン画家
似顔絵肖像画を描いたり師匠のアシスタントをしながら制作活動をしています。好きな画材はポスターカラー、不透明水彩、日本画の絵の具。琳派とヨーロッパアンティーク風の絵が好きです。画家活動や画廊で長く働いた経験から得た、絵の描き方やリアルなアートの話のほか、生きづらくて苦しんだ後にたどり着いた、前向きでラクな考え方や肩の力を抜いた楽しい生き方についても書いています。