絵画のための花の写真の撮り方|5つのコツで本当に役立つ資料にしよう

絵画やイラストなどを描くときの資料として役に立つ、花の写真の撮り方についてお話しします。

花の写真を資料にする目的で撮る場合、普通の写真とは異なる撮り方のコツがあります

コツを意識するかしないかで、後からイラストなどを実際に描くとき、資料として活躍するかあまり使えないか、差が出ます。

本当に使える資料にするための、コツをおさえた写真の撮り方をぜひ覚えてみてください。

資料を自分で撮影するワケ

イラストなどを描くときは資料の準備が大切です。

素材サイトの画像を資料として使う人も多いと思いますが、素材サイトの画像を使うときには注意が必要です。

私もこれまで素材サイトには沢山お世話になってきましたが、結局自分で用意した写真ほど絵を描くのに使い勝手の良い資料はないなとつくづく感じます。

自分の中で「こんな感じで描きたい」と思っているイメージに合う画像をめがけ、素材サイトで探してみても、なかなか思うような写真を見つけられないことはよくありますし、写真を絵の中にレイアウトしたとき、写真に写っていない部分を描くためにまた別の資料を探すこともありました。

画像が加工されているせいで、細部がぼやけて形がよくわからないとか、どこから光が当たっているかわかりにくいこともよくあります。

絵を描く資料としてはあまり使い勝手の良くない素材写真を時間をかけて探すより、自分で写真を撮る方がはるかに効率が良いなと感じています。

風景など簡単に行くことの出来ない場所は難しいかもしれませんが、例えばお花の写真であれば、お庭や花壇、植物園やテーマパークなど比較的撮影の機会にめぐまれていると思います。

そういうわけで、今回は花の写真に絞って撮り方の解説をしてみたいと思います。

資料になる花の写真の条件

資料に役立つ花の写真とは、具体的にどんなものかわかりますか?

役立つ資料の条件
  • 構図が良いこと
  • 花の構造が理解できること
  • 主役と脇役
  • 色がわかること

資料の条件にはいろんな要素があるため、一枚ですべての条件をクリアする写真というのはかなり難しいでしょう。

描きたい花がひとつあれば、資料にするためには何枚も目的の異なる写真の撮り方をしておく必要があります。

花の写真の撮り方をおぼえよう

花の写真をイラストなどの資料として、本当に使えるものにするための撮り方を、5つのコツとしてまとめました。

良い構図で写真を撮る

そのまま見た通り絵に描きたくなるような、SNSにあげたくなるような見栄えの良い角度から撮った構図の良い写真は、描きたい意欲もわいてきます。

これは必ず撮るようにしたいもの。

現場でパパッと見て瞬時に良い構図を探して撮るというのも、構図の勉強になります。

トレース派の人も、自分で撮った写真であれば遠慮なくトレース出来ます。

花の構造がわかるように写真を撮る

描きたい角度ばかり探して花を撮影していると忘れがちなのは、その花が実際どんな形をしているのか、どんな葉っぱや茎をしているか。

これは本当は写真に撮るより写生した方が良く理解出来るのですが、植物にはそれぞれ枝や葉っぱの生え方に決まった特徴があります。

写生が出来ない状況、とにかく写真だけ撮るというときは、その植物の特徴がわかる写真を必ず撮っておきます。

特徴を理解しておくと、絵を描くときにリアリティが出ますし、堂々とアレンジもしやすくなります。

葉っぱの形や葉脈がどのように走っているかも、撮影しておきましょう。

脇役になる花の写真も撮る

こちらも花の構造のわかる写真のうちに入るかもしれませんが、複数の花の絵を描くときは主役の見映えの良い花のほかに、横向きや後ろの方を向いている花も描くことで、絵に奥行きや雰囲気を出すことが出来ます。

後ろから撮ると、茎からどのように花がついているか、ガクの部分はどうなっているかもよくわかります。

全体像の写真を撮る

ここまでの写真は花のパーツごとに撮影してきたと思いますが、地面から生えているところから花まですべて入るような写真も撮っておくと、その花の雰囲気がよくつかめます。

正確な色がわかるように写真を撮る

実物を見ているときは鮮烈に感じる花の色ですが、時間の経過とともにリアルな色を正確に思い出しにくくなります。

もちろん絵やイラストの場合は色を写真そっくりに描かないといけないルールはないので、そこまで神経質にならなくても良いのですが、資料としてちゃんと色のわかる写真があると安心です。

例えば夕方で色味が暗くオレンジがかって見える時間帯よりは、もう少し明るい時間帯に撮影する方が良いです。

晴れた日のお昼時など日差しの強い時間帯は、光の当たっているところが白飛びするなどコントラストが強くなりすぎます。

撮影に向いているのは薄曇りの日のと言われますが、私は日傘を持ち歩くようにしていて、あまりにも直射日光の影響がきつい場合は、被写体の花を日傘で覆ってから撮影しています。

まとめ

イラストなどを描くときに本当に役に立つ写真というのは、それなりに枚数をとらないと満足できる資料にならないと思います。

あとでデバイスから消すくらいすぐ出来るので、いらないかもしれないと思っても、とりあえず迷ったら撮っておくこと。

撮っているときに周りの人にジロジロ見られても負けないこと。

私は「今日は資料にする写真を撮るぞ」という目的で出かけたら、100枚位撮って帰ります。

今すぐ必要なくても、いざ描こうとしてからスグに資料が用意できるとは限りません。

資料にしたいときは何となく撮るのでなく、この花の写真の撮り方を思い出して使い勝手の良い写真を撮り、素敵な絵を描いてくださいね。

ABOUT US
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ミラデザイン画家
似顔絵肖像画を描いたり師匠のアシスタントをしながら制作活動をしています。好きな画材はポスターカラー、不透明水彩、日本画の絵の具。琳派とヨーロッパアンティーク風の絵が好きです。画家活動や画廊で長く働いた経験から得た、絵の描き方やリアルなアートの話のほか、生きづらくて苦しんだ後にたどり着いた、前向きでラクな考え方や肩の力を抜いた楽しい生き方についても書いています。