額装された絵画を購入したときなど、いざ壁に絵を飾るとなったとき、フックとピクチャーレールのどちらが良いか迷うときがあります。
絵画を壁にフックで飾る場合とピクチャーレールで飾る場合、それぞれのメリットとデメリットについてお話しします。
あなたの場合はどちらの方法が合っているか、ご参考にしていただけたら幸いです。
もくじ
壁に絵を飾る方法 ①フックを使う
フックは壁に絵を飾るのに手軽な方法です。
デメリットとして壁に穴が開いてしまいますので、賃貸の場合は出ていくときに壁紙を張り替える必要があるかもしれません。
メリットとしては、フックの場合は絵を掛けてしまえばフックの姿は額縁の後ろに隠れて見えなくなりますので、スッキリと絵画を飾ることが出来ます。
フックの詳しい取り付け方は、こちらの記事でご紹介しています。
フックの選び方
壁に絵を飾るためのフックは、壁の材質や絵画の重さに対応したものを選びましょう。
木製、石膏ボードの壁
画鋲が刺さるような木製や石膏ボードの壁は、石膏ボード用のフックを選びます。
フックと一緒に釘が付属していますので、カナヅチがあれば簡単に取り付けられます。
コンクリート壁
コンクリート壁の場合は、石膏ボード用のフックでは付属の釘が壁に刺さりません。
コンクリート専用フックを使います。
こちらのフックにも釘がついていることがありますが、釘では刺さらないことが多く、付属のボルトを打ち込んで取り付けます。
コンクリート壁にボルトで取り付けるには、電動ドライバー(ドリル)が必要になります。
新築やリフォームで家がキレイになるから絵を飾りたいという場合は、大工さんにお願いしてついでに取り付けてもらうのがおすすめです
絵画(額縁)の重さ
フックには必ず耐荷重があります。
重い絵を飾るときに軽いものしか掛けられないフックを使うと、フックが壁から抜けて絵が落下するなどして危険です。
絵画を購入するときフックも同じ店で買える場合は、お店の方に尋ねると合うフックを教えてくれますが、別のところで購入する場合は絵の重さを量っておきましょう。
絵画を抱えて体重計に乗って重さを量り、自分の体重を引けば絵画の重さがわかるよ
絵画を購入する際に先に聞いておくのも良いと思います。
最近の額縁は昔のものと比べてかなり軽くなっていますので、実際に量ってみると「なんだ、こんなに軽かったのか」と拍子抜けされる方が多いです。
普段おとなしく壁に掛かっているときだけでなく、地震の際に揺らされても落ちにくいように、実際の絵画の重さより少し余裕のある耐荷重のフックを選ぶと安心です。
少々の揺れでは額縁の紐がフックから外れたりしませんが、地震など心配な方には、紐が外れるのを防ぐバネ付きのフックもあります。
壁に絵を飾る方法 ②ピクチャーレールを使う
ピクチャーレールは壁に穴を開けたくない場合、時々絵を掛け替えたいという場合にオススメです
ピクチャーレールは壁の上部、または壁際の天井部分にレールを取り付け、レールに取り付けた可動式のフック(ランナー)にワイヤーフックをぶら下げて使います。
メリットとしては、ランナーの位置を動かすことで左右に、ワイヤーの長さを調節することで高さを自在に変えることが出来ます。
ワイヤーは余った部分はクルクル巻いておけば額縁の後ろにキレイに隠れるから、買うときに長さで迷ったときは長いめのを選ぶと良いかも
デメリットとしては、後付けタイプのピクチャーレールの場合には、確かに壁の中央に穴が開くことはありませんが、天井付近にはピクチャーレールを取り付けるための穴が開いてしまうこと。
絵を吊るすためのワイヤーが見えてしまうこと。
普段おとなしく掛かっているときは良いけれど、地震の際にはフックで取り付けた額縁と比べ、大きく揺れてしまうので危ないことです。
壁用、天井用があり、フックと同様に石膏ボード専用のものとコンクリート壁でも使えるものがあるので確認して購入してください。
石膏ボードならカナヅチ、コンクリート壁には電動ドライバー(ドリル)での取り付けになります。
高い場所での取り付け作業になるので、慣れていないと首や腕が痛くなります。
安全のためにも、出来れば設置作業は2人でされることをオススメします。
新築やリフォームの際に「この場所に取り付けてほしい」と予め相談しておくと、壁に埋め込むタイプのピクチャーレールを取り付けてもらえます
壁に絵を飾るときの注意点
フックとピクチャーレール共通の注意点
重い大きな額縁や横長の絵画を飾るときには、フックやワイヤー1つで額縁を吊るさず、2つ、かなり大きいものであれば必要に応じて複数使って吊るすようにしてください。
目安としては横幅が1メートル近くあれば2個のフック(ワイヤー)で吊るすと考えていただいたら良いと思います。
横幅の長い絵は1点より2点で吊るす方が、傾かず安定して絵を飾ることが出来ます。
壁にかかる重さも2点に分けた方が分散されます。
フックの注意点
石膏ボード用のフックを壁から抜くようなことがあった場合、同じ穴にまたフックの釘を刺して取り付けることはしないでください。
一度抜いた後の穴はゆるくなっているので、同じところに取り付けるとフックが抜けやすくなります。
ワイヤーの注意点
ワイヤーが見えるのが好きでないという人向けに、目立たない透明なテグスワイヤーというものが販売されていますが、こちらは経験上おすすめしません。
画廊で働いていたとき、ワイヤーの耐荷重より軽い額縁だった場合でも、重みでテグスからフックの金具部分がすべり落ちてズレたり、額縁が落ちてしまったことがあります。
同様の話を複数のお客様からも聞いています。
ワイヤーが目立たないのは魅力ですし、かなり軽いものには使えるかもしれませんが、安全面や大切な絵画を飾る場合には要注意です。
まとめ
フックにもピクチャーレールにもそれぞれメリットとデメリットがあります。
見た目や設置の手軽さ、安全面などを考えて、あなたにとって良い方法を選んでくださいね。
フックは同じ場所に絵をながく飾る場合にオススメです