額装のやり方は自己流でしてしまうとアクリルの内側にホコリが入るなど、上手くいかないことがあります。
画廊の仕事でプロの画家さんたちの絵を額装してきたやり方を、画像付きで丁寧に解説します。
ズレないマットのセットなど、やり方のコツさえ覚えれば誰でもきれいに出来るようになりますので、ぜひ覚えてくださいね。
額装のやり方
額装のやり方ですが、マット付きの額装、表面は最近多くなったアクリル板という設定でお話しします。
- 額装用テープ
- 帯電防止剤(静電気防止スプレーなど)
額装するときはアクリル板が静電気でホコリを吸い寄せやすいので、テーブルをキレイに拭いてから行うことをおすすめします。
紙の作品をマットにセットする
まずは一般的な紙の絵の額装のやり方です。
作品とマットを位置をあわせて重ね、絵の上側を手前にテーブルからはみ出すように置く
下から作品とマットを額装用テープで仮止めする
ズレないように作品とマットをあわせて持ちながら裏返し、額装テープをきちんと貼り直す
テープは絵がA4位の大きさなら上下2カ所でOK、大きな絵の場合は上と左右の3辺をとめる
表に返してズレていなければOK
額装するときに普通のセロテープなどを使うやり方だと、経年によりベトベトになったりテープやノリの付いた部分が変色してしまいます。
額装テープは時間が経っても変色せず、後ではがすことになっても比較的キレイにはがしやすい額装に適した中性の紙テープで、額縁専門店などで購入できます。
額装テープを貼る場所は基本的に絵の3辺まで。
紙は額装されてからも天候などにより湿気で伸び縮みしています。
紙が波打ったりしないように伸びたときの逃げ場として、4辺のうちの1辺(紙の下側)はテープを貼らずにあけておきましょう。
絵が大きいときは1辺に長いテープを貼っても良いし、テープを1辺に2カ所貼っても大丈夫です。
ボードの作品をマットにセットする
スチレンボードにパネル張りした作品など5mmほどの厚みがあるものの額装のとき、重みで絵がズレるのを防ぐやり方です。
作品とマットを位置をあわせて重ね、テーブルからはみ出すように置く
下から作品の下側左右のコーナー部分とマットを額装用テープで仮止めする
裏返してコーナー部分4カ所をテープでしっかり貼る
表に返して確認し、もしズレていたらテープを貼り直す
作品が重みで下がって来ないように、作品とマットの下側の空いた部分にパネルをカットしたものを付けて完成
ボードの場合はしっかり貼らないとズレやすいので4スミともテープでとめてしまいます。
アクリル板の額装のやり方
いよいよ額縁にセットしていきます。
アクリル板使用の額装も、このやり方なら失敗しません。
裏板、詰め物、作品の順に重ねる
(ボードの額装の時は厚みがあるので、詰め物を適宜抜いておく)
アクリル板の保護シートをめくらず、作品の上に重ねる
作品(マット)とアクリル板の四スミをしっかり合わせたまま、アクリル板の下側の保護シートをめくる
もう一度四スミをそろえ、アクリル板の上側の保護シートもめくる
下に新聞紙などを広げて静電気防止スプレーをかける
額縁のフレーム部分を表側からかぶせる
まとめて裏返し、裏板を留め具でとめる
紐をかけたら出来上がり
アクリル板は保護シートをはがした瞬間から、すごい静電気で周りの小さなホコリを吸い寄せてしまいますので、先にはがしてしまうと額縁の内側にたくさん細かなホコリが入ったまま額装されてしまいます。
絵に出来るだけ密着させた状態で下側から保護シートをめくるやり方で、ホコリの侵入を防げます。
保護シートをはがしたら、スキマからホコリが入らないよう、アクリル板は作品(マット)から浮かせないでください。
液体の塗布タイプやスプレータイプなど色々あります。
額縁専門店やアマゾンなどで購入できます。
まとめ
額装のやり方で一番の難関はアクリル板のセットです。
スマホの画面に保護シートをセットしたことのある人は多いと思いますが、あれによく似ていて、ホコリが僅かに入ったと思ってやり直すと余計にひどくなるので、一回でセットしてしまうのがキレイに額装するコツです。
額装の紐の結び方はまた別の記事でご紹介しますね。
あなたの絵をもっと素敵に見せてくれるマットの選び方はこちらをチェック。
額縁の上手な選び方はこちらをご覧ください。