立体感のある絵は、3つのポイントを意識すると描けるようになります。
もくじ
物が立体的に見える理由
立体感のある絵を描く為には、まず物が立体的に見える理由を理解しましょう。
この画像を見てください。
卵に光が当たり、影が出来ています。
同じ写真から影を消してしまうと、こんな感じになります。
物に光が当たり影が出来ることで、私たちは見た物を立体として感じています。
立体感のある絵の描き方
立体感のある絵 ①光の方向を把握する
立体感のある絵を描くには、光がどの方向から物を照らしているか把握し、反対側に影を付けることが基本です。
頭ではわかっていても、例えば白い卵なら描けるのに、模様のある卵になった途端、模様を描くことに気をとられて光と影がおろそかになり、立体的に描けなくなってしまう場合があります。
どんな模様があってもまず光があり、反対側に影が出来るという基本を忘れずに描くと立体感が出ます。
どんな複雑な形であっても、基本は同じです。
この写真では、向かって左上方から光がさして、右下方に影が出来ています。
光源が一カ所の場合、影の方向も一定になります。
立体感のある絵 ②反射光
本来影で暗くなるところが明るく見えることがあります。
それは光が壁や床など別の物に一度当たって反射した光にもう一度照らされているからです。
上の画像を見ると、向かって左上方から卵に光が当たっていますが、卵の影の部分にも少し明るく見えるところがあります。
これは光がテーブルに一度当たり、はね返った反射光で照らされているからです。
この画像もよく見ると、本来暗くなるはずのあごの下側部分が明るくなっています。
これは着ている白い服に当たった光が反射して照らしているからです。
明るい色の物は光をよく反射し、暗い色の物は光をよく吸収します。
一度物に当たると光の一部は吸収されるため、反射光はもとの光より弱くなります。
このため、反射光に照らされた部分は明るいといっても、もとの光に照らされた部分よりはやや暗くなります。
立体感のある絵 ③豊かなグラデーション
影は描いているのに、思うような立体感のある絵にならないことがあります。
次の画像の2つの卵を見比べてください。
左の卵は丸みを感じますが、右の卵はどことなく薄っぺらい感じがしませんか。
これはただ影の色が薄いからというだけでなく、影のグレーの色数が少ないからです。
デッサンをするときにも気をつけることですが、白と黒の間には明るいグレーから暗いグレーまで多くの段階があります。(グレースケールといいます)
影を描くときにこの段階が少なく、一番暗いところだけに影が付いている場合など、グラデーションが貧弱だと本来の形が思うように出せません。
影のグラデーションの段階を豊かにすることで、絵にリアリティのある立体感を出すことが出来ます。
立体感のある絵の描き方 応用編
光源が複数ある場合
光が一方向でなく複数のところから照らされている場合、例えば人物モデルの写真などは影がキレイに飛ばされていて、そのまま写すように描くと立体感のある絵になりにくいです。
この場合は絵を描くときにメインの光の方向を自分で設定し直し、想像で影を補って描いていきます。
複数のモチーフを別々の写真から描くときなども、それぞれの写真ごとに光の方向が違っているので、一方向に修正して描くと自然になります。
影が見えにくい場合
モチーフに模様が多いなど影がどこにあるかわかりにくいときは、目をギュッと細めて見てみるとザックリとした陰影が強調されて見えて、わかりやすくなるのでお試しあれ。
まとめ
立体感のある絵を描くには、光と影の方向をよく見きわめるのが基本です。
影の段階が多くグラデーションが丁寧なほど、リアルな形が描けます。
反射光も描き込むことで、よりリアリティのある表現が出来ますよ。
立体感と関係が深い、奥行きの出し方についてはこちらの記事で詳しく説明しています。あわせてどうぞ。