色彩検定は必要?|画家活動に色彩コーディネーターの資格が役立つ3つの場面

色彩検定を受けてみようかと考えている人へ。

画家活動をするうえで色彩検定は必要なのか、色彩コーディネーターの資格が役に立つ場面や試験の難易度についてお話しします。

学生の間に受験する人が多い色彩検定ですが、私の場合は社会人になってから3級と2級を受験し資格を取りました。

色彩検定とは

色彩検定では色彩の基本から配色技法、デザインの現場で色を使うときの考え方などを専門的に学べます。

文部科学省の後援もあり、デザイン系の学校に通う人の多くが受験しているメジャーな検定です。

合格すると色彩コーディネーター資格証を発行してもらえます。

レベルにより3級、2級、1級があるのに加え、色彩のユニバーサルデザインに特化したUC級があります。

色彩検定を受ける理由

色彩検定は主に就職活動の際に持っておきたい資格だからというのが受験する一番の理由だと思います。

デザイナーはもちろん、インテリアコーディネーターやアパレル関係、美容師、フラワーアレンジメントなど、色彩検定は多くの職業をカバーできる資格です。

私はすでに画廊で働いているときに受験しましたが、就職のための資格という面が強いので、受験会場に着くとほとんど社会人ぽい人はいなくて、98%くらいが学生さんでした。

色彩検定は役に立つか

色彩に関わる多くの人が受験する色彩検定ですが、現役デザイナーに訊いた話では3級を持っていても意味がないそうで、出来れば1級、せめて2級は持っていたいとのことでした。

3級というのはデザイナー以外の仕事で色彩のことも勉強していますよ、というレベルの資格のようです。

私の場合はやむを得ず大学を中退していたこともあり、学び足りなかったので勉強したという理由が大きかったのですが、色彩について感覚的になんとなく理解していたことを理論として確認出来たことは良かったかなと思います。

照明器具の種類によって見える色が変わる演色性の話や、色によって時間のスピードの感じ方が変わるという話、膨張色と収縮色などは画廊の仕事で接客をする際に役に立ったこともありました。

画廊の接客というのは世間話から専門的な説明まで幅広く話が出来ないといけなかったので、感覚に専門的な理論という知識が加わることで自信をもって説明出来るようになりました

社会人になってからでも色彩検定は受験して良かったなと思います。

画家活動に色彩検定(色彩コーディネーターの資格)は必要か

画家活動をしていく中で色彩検定が必要かというと、直接的には必要ありません。

ただ、ないよりあった方が便利かなと思うことはあります。

画家活動する人にとって色彩検定は3つの場面で役に立ちます。

  • 作品作り
  • 営業するとき
  • 副業するとき

色彩検定は作品作りの役に立つ

絵を描くというのは基本的に感覚で描いている部分が大きいと思いますが、描く前にきちんと構図を決めたりどのような色彩、色調で描くかという計画を立ててから描き始めると完成度の高い作品を作ることが出来ます。

私は自分の好みの色の組み合わせや色調というものがもともとありましたが、色彩検定で改めてきちんと色相や色のトーンについて勉強したことで、絵の全体の色調をよりスムーズに決めたり、組み合わせる色を迷わず選んだりしやすくなりました。

絵を描くときは理論よりも実際に描いて手や目で覚えていくことが重要ですが、理論的なことを知らないのと知っているのとでは、やはり知っている方がスムーズなこともあると思いました。

色彩検定は絵の営業のとき役に立つ

画家活動をしていると、企業さんへ営業することもあります。

そのときに「画家です」「絵を描いています」と言っても、相手によっては「あ、そう、頑張ってね」で終わるかもしれません。

相手が探しているような案件であったとしても、ただ「お絵描きの好きな人」とだけ思われたのでは相手にしてもらえません。

もちろんポートフォリオや活動実績のほうが重要ですが、色彩コーディネーターの資格があることも名刺や資料に記載しておくことで、ちゃんと勉強しているんだなということを知ってもらい、提案した内容にも説得力を添えることが出来ると思います。

色彩検定は副業で役に立つ

画家活動と言っても絵だけで生活するのでなく、副業が必要なことの方が多いと思います。

副業の仕事に就職する際、色彩コーディネーターの資格があると便利です。

画家として独立開業するとしても、仕事内容は絵を額に入れたものを売るだけとは限らないですし、色彩検定というもの自体がメジャーなだけに、絵関係の仕事をするときには持っていれば便利かなと思います。

色彩検定の難易度

色彩検定の合格率は公式ホームページを見ると2021年度は1級が50%以上、2級、3級が70%以上、UC級は90%近くが合格しています。

私が受験した当時は3級の合格率はもっと高かったかなと記憶しています。

試験は基本的にマークシート方式。

1級の試験のみ1次、2次と2回試験があり実技も含まれるようですが、実技といっても絵を描いたりするようなものではなく、カラーカードを切り貼りするというもののようです。

1級については私は受験していないので何とも言えませんが、2級、3級については独学で2・3か月勉強すれば合格出来ました

合格率の高さから見て、UC級も独学で合格出来る内容と思います

色彩検定の勉強法

色彩検定の受験対策に必要な教材は、2・3級とも色彩検定の公式テキスト1冊と過去問題の付いた参考書をもう1冊の各2冊だけで十分でした。2級の場合は配色カードも必要になります。

私の場合は社会人でしたので、仕事の前後と休日にみっちり2・3か月勉強すれば十分でした。

当時はフルタイム勤務ではなかったので、仕事の早番の日は仕事が済んだら家に帰らず、職場の休憩場所で1・2時間勉強してから帰り、遅番の日は早めに来て勉強していました。

家に帰ってからだとホッとしてゆっくりしてしまいがちですし、仕事の前も時間を決めて職場に出てきてしまえばサボらずに勉強出来ました。

参考書を同時に見ながら公式テキストをノートにとって勉強し、テキストの最後まできたら再度はじめから勉強し直し、試験が近くなったら過去問題を解きました。

試験は公式テキストの範囲を超えた内容が出ることはなく、しっかりとテキストの内容を勉強さえすれば、特別な対策講座などで勉強しなくても独学で合格出来ると思います。

まとめ

色彩検定(色彩コーディネーターの資格)は画家活動に必要ありませんが、絵に関わる仕事をする上で持っていると、ないよりは便利です。

色彩について経験や感覚で理解していたことが理論として学べるので、色彩についての理解が深まります。

主に就職のための資格ですが、興味があったり自分のしている仕事に関係するのであれば、社会人になってから受験しても良いと思います。

色彩検定を受けるほどではないけど、色彩についての基本的なことを知りたいという方は、簡単にわかりやすくまとめた記事をどうぞ。

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MIRAデザイン画家
絵が上達したい・自分の描いた絵を売ってみたい人へ、上達のヒントや画家活動の悩みの解決方法、画材などについて発信しています。 以前は画廊に勤め毎日絵を販売していました。 現在は師匠と吉祥画を制作販売したりリアル系似顔絵の注文を受けたり、絵画講師をしながら独自の支持体を使って絵を描いています。 ブログに書ききれない情報はメルマガで。 本気で上達したい人向けの水彩画のテクニック講座が気になったら、おトクなオープニング価格のうちに体験してみてくださいね。(好評です) 11月29日~12月1日に大阪で個展を開催。 あなたのお越しをお待ちしています。