美術の予備校に行くのがつらいときに読むクスリ|5つの理由と考え方

美術の予備校に通うのがつらいですか。

私もずっと昔ですが美術の予備校に通っていた頃、つらくて行けなかったことが何回かありました。

美術の予備校がつらい理由について今考えてみると、「まぁガンバレ」と思うこともあれば「それって本当に生徒のせい?」と疑問に感じるところもあるし、別の方法を考えた方が良い場合もあるなど、ずっと後になったからこそ見えてきたものがあります。

美大受験のために美術の予備校に通った経験者として、予備校がつらいときどうしたら良いかを考えてみました。

美術の予備校がつらい5つの理由

デッサンが難しくてつらい

美大受験にはデッサンが必須ですが、美術の予備校に通うまで本格的にデッサンをしたことがないという人も多いと思います。

私も申し訳程度にしかデッサンの経験がない状態で予備校に入ったので、特にはじめのうちはどう描けば良いかわからず難しかったです。

デッサンというのは数をこなすうちに上達していきますが、それは単なる慣れではなく、いくつものコツや要領をおぼえていきながら身につくものだと思います。

このコツや要領がまだあまりわからないうちはデッサンは難しくて当たり前、おかしいことではありません。

このコツや要領を学びそれを意識して描くことでデッサンの「どう描けば良いかわからない」難しさやつらさは徐々にクリアしていけますので、コツや要領というものを先生から毎回シッカリ聞きだしましょう。

デッサンのコツについては別の記事でご紹介しています。

美術の予備校が長時間でつらい

美術の予備校に高校生が通う場合平日なら3~4時間、休日なら8時間くらい教室にいるというケースが多いのではないでしょうか。

長時間のつらさにも色々あります。

体が疲れるからつらい

学校から帰った後の美術の予備校が3・4時間、休みの日も8時間という日が連日続くとそれなりに疲れます。

若いとはいえ体が強くない人は特に、疲れがたまるとつらくなります。

ひたすら長時間描くことが必ずしも結果につながるわけではありません。

間で上手に休憩をとるほうが集中力を落とさず描けることもあります。

予備校によって先生の考え方や方針が違うとは思いますが、長時間だと疲れてつらいという場合は休憩をこまめにとるなど工夫してみてください。

まわりがあまり休憩を取らない人ばかりというときは自分も休憩しにくい雰囲気があると思いますが、先生に相談するなどして堂々と休憩をとって良いと思います。

先生に相談するときは「しんどいから」と言うよりは「休憩した方が最後まで集中できるから」というポジティブな言い方を選ぶと受け入れてもらいやすいと思います。

ただ、グラフィックデザイナーは残業がとても多い仕事なので、あなたがデザイナー志望の場合、この段階で体力的につらいようなら仕事は続かない可能性があります。

同じ姿勢でいるのがつらい

長時間デッサンをしていると長時間同じような姿勢で椅子に座っているため、血の巡りが悪くなるなどしてつらくなってきます。

デッサンはのめり込んで描いていると全体像が見えなくなることもよく起こりますので、客観的に絵を見るためにも体のためにも、椅子からこまめに立ち上がって離れて見ることをオススメします。

長時間描いていると肩や首もコリますから、休憩する時には軽く体を動かすなどしてほぐしてあげてください。

慣れも必要

美大、芸大受験のために予備校へ行くわけですが、美大へ行きたい理由が「将来絵を描く仕事をしたい」のであれば、将来本当に絵を描く仕事に就いた場合、(絵以外の業務ももちろんありますが)毎日長時間絵を描き続ける生活になります。

デッサンは特に基礎練習という意味合いが強く、本当に描きたい絵とは違っていたりするので余計に長時間描くのがつらい面があるのですが、絵が仕事になった場合も必ずしも好きな絵ばかりが描けるわけではないので、長時間絵を描くことに慣れておかないと後々つらいです。

美術の予備校の講評がつらい

美術の予備校といえば大抵ある講評の時間。

例えば3時間モクモクとデッサンを書いて残りの1時間はみんなの前でひとりひとりのデッサンを見ながら講評を聞いていくという感じ。

他の人へのアドバイスなども聞けるため、講評の時間は勉強になるし、順位を付けられると自分が今どの程度のレベルかザックリとわかり、美大合格のための励みになる面もあります。

私自身は講評がつらかった記憶はあまりないのですが、あの講評の時間って本当に必要なんかなと思うところはあります。

ひとりひとりの席を先生が回ってその生徒に必要なことを指導するっていうのでも、別にいい気がするんですよね…。

デッサン中は静かだから、他の子が言われていることも聞こえていますし。

…でもまあ生徒さんを預かっておられる先生方にしたら希望校へ合格させる責任もあるし、講評っていう時間枠を作らないと、自分から他の人へのアドバイスを聞いたり絵を見に行ったりする子としない子が出るだろうから、やっぱり必要なのかな。

ただ、大勢が見ている目の前で順位を付けられ、自分の絵を良いの悪いのと言われることってつらくて当たり前のことという気がします。

それだけでも緊張するし怖さもあって普通のことだと思うけど、先生によって高圧的だったりイヤミだったりすると余計につらくなると思います。

例えば、バイトとか仕事では上司が部下を叱るときは大勢の前で叱責せず、一対一で人前で恥をかかせないように配慮してお話ししたりするもの。

生徒は人前で評価されるという怖さにさらされている立場にあるので、たとえ生徒のためを思って言ったつもりでも、言い方によっては先生が思っている以上に生徒につらい思いをさせることもあるのではないかと思います。

社会に出て本当に絵に関わる仕事をすることになれば、画家だろうとデザイナーだろうとイラストレーターだろうと他のどんな仕事であれ、売上という数字を突き付けられ、お客様の評価というものに直面し、SNSでは好き勝手なことを言われたりするので、講評くらいで凹んでいる場合ではないのかもしれません。

それでも、つらいという気持ちは持っていけないことではないし、その状況を頑張れている自分のことはほめてあげて良いと思います。

そして厳しいことを言われてショックを受けたときに思い出してほしいのは、絵の講評はあなたの人格について否定しているわけではないということです。

もしどう考えても先生の言い方が人格まで傷つけてくるような気がする場合は、他の予備校も見学に行くなど見比べて客観的に判断してみられることをオススメします。

まわりが上手くてつらい

クラスで一番絵が上手かったとしても、美術の予備校や美大というのは絵の上手な人ばかりが集まってくる場所です。

まわりの子たちが上手くて凹むときに思い出してほしいことは、そもそも下手だから上手になるために美術の予備校に来ているということ。

私が予備校に通っていたとき、別の予備校で描いた絵を持参して見学に来た子がいました。

あちらの先生に褒められたという一番お気に入りのデッサンを、こちらの先生に「下手やな」と一蹴されると「プライドが傷ついた」と言って、もうこちらの予備校に来ることはありませんでした。

先生の言い方が良かったかどうかはわかりませんが、先生方は「あの子、何しに来たんやろな」とあきれていました。

絵って始めはまわりより下手でも続けていたらだんだん上手になっていったりするもです。

そしてまわりと比べてどうの、というのは美術の予備校だけでなく美大に行ってもあるし、SNSの中でも公募展でもどこでもあることで、気にし始めたらキリがありません。

まわりと比べてつらくなってしまう人は「下手だからここに来たんだ」と開き直るくらいでちょうど良いと思って、自分が上手になることに集中してみてください。

美術の予備校での人間関係がつらい

講評で厳しいことを言われてもわりと平気(私はそうでした)だけど先生と合わないとか、仲の良い友達も出来たけど講評がつらくて耐えられないとか、つらいと感じることは人それぞれです。

先生がどうしても好きになれなかったりまわりの子と合わなかったり、美術の予備校の中の雰囲気がイマイチでもつらいもの。

人間関係のつらさは案外いちばん堪えるものかもしれません。

人間関係がつらいときは、本来の目的である絵の勉強に集中できる環境を探して予備校を変えても良いと思います。

まとめ

美術の予備校は美大受験という競争が前提にあるので、つらいと感じることもあると思います。

それでもそのつらさは将来のために乗り越えた方がプラスになる場合もあるし、ガマンすることのないつらさの場合もあるかもしれません。

どんな理由でも「つらい」と感じることそのものは悪いことではありません。

頑張っている自分をねぎらいつつ、その「つらい」の正体は何かなと向き合い、あなたにとって良い判断をしていただけたらと思います。

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ミラデザイン画家
似顔絵肖像画を描いたり師匠のアシスタントをしながら制作活動をしています。好きな画材はポスターカラー、不透明水彩、日本画の絵の具。琳派とヨーロッパアンティーク風の絵が好きです。画家活動や画廊で長く働いた経験から得た、絵の描き方やリアルなアートの話のほか、生きづらくて苦しんだ後にたどり着いた、前向きでラクな考え方や肩の力を抜いた楽しい生き方についても書いています。