画家になるにはどうすればいいのか。
私は企業を通してリアル系似顔絵の注文を受けたり、吉祥画のオーダーをいただいて絵を販売しています。
私の絵の先生はデザイナーから画家へスライドし、海外での個展や日本各地の百貨店で展覧会をしてきました。
「絵を売る画家」という意味で、実際の体験から気が付いた画家になるために必要なことについてお話しします。
もくじ
画家になるために必要な5つのこと
画家になるにはザックリと5つの力が必要です。
それは画力・営業力・縁・人柄・努力です。
それぞれについて詳しくお話ししていきますね。
画家になるには ①画力
画家になるには特殊な例をのぞき、ある程度以上の画力が必要です。
特殊な例というのは、芸能人などその人自身が有名で絵以外の分野ですでに実力がある方の場合、その人気から画力がそこまで高くなくても売れることがあります。
独学で画力はあげられるかということについて以前記事を書きましたが
自分自身を振り返ると、独学でも出来るけれど遠回りになると感じます。
私の場合は独学より先生に習った方が上達のスピードが速く、視野が広がりアイデアの引き出しも増えたので、画力を上げたいのであればどんどん習った方が良いのではと考えています。
必要であれば、何人もの先生の教室を渡り歩いても良いとさえ思います。
画家になるには ②営業力
絵を買っていただいたり、どこかの企業さんを通して販売していただく場合、ただ待っていても声はかけてもらえません。
画家になるには自分で資料を作って自分の絵が相手のお役に立てそうなところへ送ったり、SNSやホームページなどで多くの人に見てもらえるよう発信したり、メディアに取り上げてもらえるように働きかけたりする必要があります。
営業しないで仕事が向こうからやってくるというような甘い話はないと感じます。
私自身、試行錯誤しながら活動をしていく中で「あわよくば売れたら良いな」というような「あわよくば」は無いものだとよくわかりました。
画家になるには自ら行動することが必須です。
画廊に勤めていたときに出会った有名な画家さんの何人かはマネージャーさんがついておられ、営業はマネージャーさんにまかせて制作に専念されている方もおられましたが、多くの個人で活動している画家さんはそういったことも含めて営業面も自分で活動していく必要があります。
私自身もブログを書いたり飛び込み営業に出かけたり、師匠のアシスタントとしてメディアに展覧会のお知らせなどを配って新聞の記事にしていただくなど、絵を描く以外の行動を起こしています。
画家になるには ③縁
良い場所で展覧会が出来たり良いお客様を紹介していただけたり、というのには人との縁が大きく関わっている場合があります。
画家になるには良い縁につながるところへ自分から出ていくことも必要です。
私自身の失敗としては、以前お仕事をいただいたところへその後こまめにプレゼンを起こしたり連絡をとったりしなかったために、せっかくのご縁が育たず薄れてしまったことがあります。
WEBでの発信はお互い表情が見えないだけに、選ぶ言葉ひとつで思いがけず人を傷つけてしまったり嫌われたりすることもありました。
SNSは今では画家になるには欠かせない発信方法となっていますが、発信内容や言葉には気を付けなくてはいけないなと思います。
一方で作品を購入してくださった方を大切にすることでお客様に応援していただけ、何度もリピートでオーダーをいただくこともありました。
長く活動している師匠には既存のお客様の紹介から新しいお客様やコレクターさんがついて、お店や画廊を介さずに直接の交渉で注文が入り続けています。
直接の場合は病院の壁画のような大きな仕事になるなど、画廊では対応しきれない仕事も入ってくるうえ、手数料を引かれることもないので画家にとっては良い仕事の仕方だと思います。
良いお店や施設に看板となる絵を納めると、それを見た人から問い合わせが来るなどして次の仕事に繋がることもあります。
私が今こうして絵の活動をしているのは絵の先生やWEBの先生とのご縁があったからですが、それもはじめは自分から行動してつながることの出来たご縁なので、画家になるには行動力といただいたご縁を大事にすることが本当に大切なことだと思います。
画家になるには ④人柄
営業力ともつながることですが、画家になるには人から好かれる方が絶対に良いと感じます。
これまでに出会った作家さんの中にはモテオーラとでも言うのでしょうか、お話ししているとついついその方から買いたくなってしまうという不思議な魅力を持った方が時々おられます。
師匠もモテオーラとはまた別かもしれませんが、その場にいるだけでパッと明るくなるような雰囲気があり、打ち合わせなどに同行しても「元気がもらえる」と相手に喜ばれ好かれているのだなと見ていてわかり、だから仕事がもらえるのだなと納得することもよくあります。
画家活動の形態は、以前は画廊などに扱ってもらい画廊や百貨店などの抱えるお客様へ画商が絵を売るというスタイルが多かったために、作家の人となりの詳細があまりわからなくても良かったのですが、近年は作家自らが発信することで画廊などを介さず直接お客様へ販売するケースも増えてきています。
今の時代に画家になるには、これまで以上に作家自身のキャラクター、どういう人なのかという部分が注目されると思います。
モテオーラ系の方については生まれ持ったものもあるなと思いましたが、人気のあるどの作家さんにも共通していたのは前向きなところでした。
マネ出来ないと思うところもありますが、仕事をする上で笑顔で前向きというのは基本ですし、モテるような人気でなくとも「応援したい」と思っていただけるような人になることが大切です。
画家になるには ⑤努力
それを努力と感じるかどうかは人によると思いますが、画家になるには必ず努力が必要です。
画力についても営業力についても人間的な成長においてもそうだと思います。
画家、それも職業が画家という風に考えると、それは個人事業主ということになりますので、絵を描く以外の業務であったり勉強しないといけないことも次々出てきます。
株式会社になった方が信用という面で大きな仕事はしやすいです。
画家になるためにコンクールでの受賞は必要?
これは別の記事に詳しくまとめましたが
受賞歴などがあったほうが作家略歴に書くことが増えますし、百貨店などはそういう略歴がある方が好まれる傾向もあるので参加しておいてソンはないと思いますが、コンクールで受賞したから次々絵が売れるということでもないというのが現実です。
絵の販売や作家さんを育てて世に出すことに積極的な画廊さんもあるので、そういった画廊さんのコンクールに出してみると次につながるかもしれません。
画家になるために学校(美大)へ行く必要はある?
ずっと以前アルバイトの面接に行ったとき、面接してくださった方が私の履歴書を見て「実はうちの娘が芸大に行きたいと言っているのだけど、絵画を学ぶ学科とデザイン学科とどちらにするかで迷っている」と相談を受けました。
私は「お嬢さんの将来が心配ならデザイン学科にしてください」と即答しました。
少なくとも私が通った美大では「画家になるにはどうすればよいか」という、学生の誰もが学びたいと思うであろうことについて学ぶ機会はありませんでした。
そして私を含め公募展などで出会った作家さんの多くは、せっかく美術系大学を卒業したにも関わらず、絵とは全然関係のない仕事やアルバイトをしている人も多かったのです。
一方デザインの学科や学校を卒業した人はデザインやイラスト分野の仕事をしながら作家活動をしていて無駄がなく、デザインを仕事にしている作家さんは絵が上手という共通点もありました。
デザイナーやイラストレーターという形で仕事をしている方は、日々描くことで鍛えられているだけでなく、ニーズをよく知っています。
多くの作家さんが自分にしか出来ない表現や自分自身を表現するシーズが得意な一方、デザイナーはお客様や市場の求めているもの、喜ばれるものというニーズを常に意識して仕事をしておられるので、作家としてオリジナルの絵を描くときにもニーズにこたえることが上手で仕事につなげやすいので、デザイン学科であれば「必要」とまではいかなくても「学んだことは社会に出てから生かしやすい」です。
画廊で仕事をしていたときに出会った画家さんの中にも、グラフィックデザイナーだった方やアートディレクターだった方など、何人もいらっしゃいました。
私の師匠は美大は出ていませんが独立してからデザイン業含め50年以上絵を描くことでご飯を食べてこられました。
美大を出ていなくても絵も文字もとても上手です。
美大に行かず画家になった人はいますし、イラストレーターさんでもそういう方はおられます。
私の画力が上がった時期は受験対策でデッサン教室に通ったころと、社会人になって絵の先生に教わるようになってから。
似顔絵肖像画の仕事は社会人になり絵がある程度描けるようになってから営業してご縁をいただいたので、学校はとくに関係ありません。
画家になるために資格は必要ありません。
それが一つの結論です。
美大は授業料も高いですから、授業料にみあう内容かよく調べて学校(学科)選びはした方が良いんじゃないかな。
絵画教室や画塾でじゅうぶんという場合もあるかもしれません。
画家になりたい人は社会に出てからでなく在学中に活動を始めておくことをおススメします。
画家になるには総合力
画家になるには絵が描ける以外にしなければならないことや学ばなければならないことがあります。
美大などの学校や公募展の受賞歴、資格などは無いより有る方が良いとは思いますが、それ以上に営業力が重要だと思います。
ご縁や人柄といった人間力も必要になりますし、総合力ではないでしょうか。
ただ、全てで100点を目指さなくても得意なところから基盤を固め、自分の苦手なところは協力者や仲間がいれば一緒に進んでいけることもあると思います。
営業についてもリアル営業とネット営業があり、どちらもした方が良いけれど、どちらか片方でも結果が出せればもう片方も引っ張って来れる部分もあると思います。
私は先日も飛び込み営業に行ってきましたが、今は多くの人が読んでくださるブログサイトを持っているので、以前より営業もしやすくなりました。
実際の行動計画については下の記事でもふれているので、こちらも参考にしていただけると思います。
画家になりたい人に役立つ情報
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今だけ特典の【画家活動のきほん講座】もお読みいただけます。
講座では画家活動で多くの人が壁にぶつかり悩む(活動の種類/公募展/画廊/作風の作り方/SNS/ECサイト)について具体的に学ぶことが出来ます。
私と師匠の経験をベースにしたリアルでボリューム満点の有料級の内容となっており、ネット上でも見つからない情報と好評です。
画家になりたい人の多くが知らない絵の世界のしくみについてわかりやすく説明していますので、気になる方は【パピプルマガジン】もチェックしてみてください。