「他の人とかぶらない」絵の資料の上手な使い方|集め方と集める理由

絵の資料、集めていますか?

絵を描くときに資料を見るのはずるいという考えがあるそうで、とても驚きました。

資料を見ないで絵を描ける人は天才か、よほど数をこなして技術が腕に入ってしまっている人だけではないかなと思います。

絵の資料にはどんなものが何のためにあるのか、どうやって集めるか、他の画家さんとかぶらないようにするにはどうしたら良いか、ということについてお話しします。

絵の資料、どんなものを何の為に使う?

絵を描くときに資料なしで描くのは無謀です。

資料集めは絵を描く為の基本。

どんなときにどんな資料が必要か、見ていきましょう。

絵のイメージ作りの為の資料

「こんな絵が描きたい」というイメージがボヤーッとしか見えていないときは、絵を描くのがとても難しい。

普段から自分の好きなイメージや「こんな絵が描きたい」と思うような絵や写真、商品パッケージなど、どんどん集めます。

映画やミュージックビデオなどもインスピレーションのキッカケになったりするので、集めて手元に置くというのではありませんが機会があれば見るようにしています。

リアリティのある絵を描く為の資料

描きたい絵のイメージが決まったら、デッサンをとるなど実際に具体的に描いていく為の資料も必要です。

目の前のモチーフやモデルさん、風景などを描くのでなければ基本的に資料を見ながら絵を描いていきます。

人物のポーズ集などの参考書や花、風景の写真など。

絵を描く技法を学ぶための資料

描きたい絵のイメージや具体的なモチーフの資料があっても、実際にどのように描けば良いかわからない場合に参考にする資料です。

私の場合は絵の描き方のハウツー本より、画集などをじっくり見たり、YouTubeの動画を見ることが多いです。

絵の資料の集め方

絵の資料の集め方は色々ありますが、とにかく気になるものや良いと思うものは節操がないくらいどんどん集めます。

画像を集める

絵の資料集めには、スキマ時間などに手持無沙汰になりそうな時にPinterestを見るのがおすすめです。

Googleで画像検索するよりもクオリティの高い作品が沢山出てくるので「こんな絵を描きたい」というイメージがわいてきます。

Instagramも良いですが、関連画像などがどんどん出てきて絵の資料を集めるのに便利なので、私はPinterestの方が好きです。

具体的に絵を描くときの資料としてはフリー素材サイトもよく見ます。

有名なフリー素材サイトはいくつもありますが、比較的画像のクオリティが高くて写真の数も多いように感じるので、私はPixabayが好きです。

紙ものを集める

お菓子の包装紙や洋服を買ったときについている紙タグ、映画のフライヤー、商品カタログ、雑誌の切り抜きなど、好きなものはスクラップ帳などに保存しておきます。

箱など場所をとるものは写真に残します。

本を集める

画集や写真集、ポーズ集、図鑑、絵本などを集めます。

絵の資料はネット上で検索すればかなり見つかりますが、特に画集や図鑑などはモニターで見るよりも紙の本で見る方がじっくり見ることが出来ますし、画面が光っていないので実際に自分が描くときのイメージと近い感覚で参考に出来ます。

図鑑は近年のものはほとんど写真になっていますが、古いものは写真でなくリアルな絵が載っていて(当たり前かもしれませんが)とても上手な絵なので、写真の資料ばかりでなく図鑑を見ると絵を描くときにとても参考になります。

画集は高いですからネットで古本で探すこともありますが、中身がどのような感じかわかりにくいので、古書市などに出かけて直接手に取って買うのもおすすめです。

古書市は思いもよらない掘り出し物が見つかることがあって楽しいですし、最終日などは交渉しだいでもっと安く手に入れられる場合もあって、そんなやりとりも楽しいですよ。

写真を撮る

自分で写真を撮ります。

私は外を歩いているときに花が咲いていたら、とにかく写真を撮りまくります。

良いなと思ったものは今すぐ描くつもりがなくても撮ってストックしておきます。

例えば桜の絵を売りたいと思ったとき、桜が咲いているのを見に行って描いていては桜のシーズンは終わってしまい売り時を逃してしまうので、咲いているときに撮れるだけ撮っておいて、来年以降に販売する絵の為の資料にします。

人とかぶらない絵の資料 (フリー素材) の使い方

絵の資料、特に実際に描くときに使う資料は、ともすると他の画家さんとかぶってしまいます。

昨今ではフリー素材の写真を資料にして絵を描く人はとても多く、見つけた画像をそのままトレースするような使い方だと「あの写真使わはったんやナ」とすぐにわかってしまいます。

わかったからどうやねんと言われればそれまでで別にかまわないことなのですが、似顔絵のサンプルなどに使う以外では、私は出来るだけ元の資料のニオイが出ないような使い方をするように心掛けています。

良い写真を資料に使わない

絵の資料にするには、写真として見映えの良い画像を使わないようにしています。

鳥の羽ばたく姿など、誰が見ても目を引くような良い写真は他の画家さんも使っていることが多いからです。

花の写真も、見るからにお洒落にアップで撮られたようなものはなるべく使わず、お花畑などの遠景の写真を拡大して花の形を参考にします。

色味のパッとしない写真、構図が良くないスナップ写真のような資料からモチーフの形やポーズだけを参考に取り出し、描きたい絵の色味や雰囲気は別の資料を見てイメージを組み合わせて描くようにしています。

似て非なるものを資料にする

描くモチーフそのものの画像を使わず、似て非なるものを絵の資料にして描きます。

たとえばルリビタキという鳥を描こうとしたとき、ルリビタキの写真や図鑑からその基本的な形や色柄は掴んでおいて、実際に描くときはメジロなど別の鳥の画像からポーズだけ参考にしてイメージを合体させて描けば、他の人からは何を見て絵を描いたかわからなくなりますし、そこまでいくと絵の資料はフリー画像でなくても大丈夫になってきます。

人物の資料は体型を変える

若干高度な技になってきますが、人物のポーズ集や雑誌やフリー素材のモデルさんの資料からポーズだけを参考にし、写真通りの体型で描かないことです。

資料はあくまでも人物の体の構造を確認するために使い、体型を自分好みに変えてしまいます。

自分で写真を撮る

絵の資料が他の人とかぶらないようにするには、自分で写真を撮るのに勝るものはないと思います。

撮れるものはチャンスさえあれば撮っておきます。

人物のポーズなども、今はスマホがあるのでポーズ集などを資料にするよりも、自分の写真を撮って絵を描くのが手っ取り早いです。

まとめ

絵の資料は普段からたくさん集めましょう。

常に絵の資料になるものはないかアンテナを張っていないと、リアルな紙ものの資料は集め損ねたり、ボンヤリしているうちに花もしおれてしまいます。

他の人とかぶらないようにするには少し技術が必要ですが、ある程度デッサンが出来るようになれば応用が利くようになりますので、誰ともかぶりたくないという人は、資料をそのまま使わずアレンジして絵を描くのがおすすめです。

ABOUT US
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ミラデザイン画家
似顔絵肖像画を描いたり師匠のアシスタントをしながら制作活動をしています。好きな画材はポスターカラー、不透明水彩、日本画の絵の具。琳派とヨーロッパアンティーク風の絵が好きです。画家活動や画廊で長く働いた経験から得た、絵の描き方やリアルなアートの話のほか、生きづらくて苦しんだ後にたどり着いた、前向きでラクな考え方や肩の力を抜いた楽しい生き方についても書いています。