ターナー製のポスターカラー、かれこれ10年くらい愛用しています。
私の絵の師匠はアナロググラフィックデザイナー時代から50年以上使っておられます。
私にとって長らくポスターカラーと言えばターナーでした。
最近になって他社製のポスターカラーも使ってみたところ、ターナー製のポスターカラーと使い心地がかなり違うということに気が付き
それによってターナー製のポスターカラーの特徴というのも改めて浮き彫りになりました。
この記事ではポスターカラーのヘビーユーザーとしての実際の使用感にもとづいて、ターナー製ポスターカラーの特徴や色見本、ターナー製ポスターカラーで制作した絵もご紹介していきます。
もくじ
ターナー製 ポスターカラーの特徴
ムラのないベタ塗り
ムラなくキレイに塗れる
あざやかでマットに仕上がり、ナキ・にじみもありません。
ターナー公式ホームページより
ターナーさんの公式ホームページでそう説明されているように、ターナー製のポスターカラーは抜群にムラなくキレイに塗れます。
ポスターカラーや水彩、日本画などムラのないベタ塗りに唐刷毛を使うということがありますが、ターナー製のポスターカラーの場合は唐刷毛のテクニック不要で、刷毛や平筆を使いタテヨコに塗るだけでムラのないベタ塗りはキレイに描けるので、ポスターカラー初心者の方にも扱いやすい絵の具です。
優れたカバー力
重ね塗りをしたときに下地の色が上に重ねた絵の具のほうへしみ出して上がってくるナキがありません。
下の色を覆いかくすカバー力がしっかりしているので、(多少水分量のコントロールは必要ですが)下の色が溶けて塗りムラになる失敗も起こりにくいです。
私は仕事で似顔絵を描いているのですが
顔の肌色を塗るとき、他の絵の具で描くと水分量によっては塗り重ねた部分が乾いた後で輪ジミのようになってしまうことがあるのですが、ターナー製のポスターカラーではそういうことが起こらず、安定してムラのない絵肌を作ることが出来ています。
ターナー製 ポスターカラー18色セットの中身(色見本)
長年使っているのでバラバラにボトルで購入しているのですが、18色スクールセットというセット商品と同じ色を色見本にしてみました。
のつもりが、まさかのスカーレット、セルリアンブルーとビリディアン、ブラックがなかったので後日追加しますね。
私はセルリアンブルーでなくターコイズブルーを愛用しています。ターナー製のポスターカラーのなかではにじみの表現もしやすい色です。
同じくビリディアンでなくサップグリーンを使っていましたが、こちらは今は廃番のようです。
発色
あざやかでしっかりとした発色です。
初心者にオススメのセットはコレ
ターナー製ポスターカラーを初めて購入するという初心者の方にオススメしたいのは11ml 18色スクールセット(公式ホームページにとびます)。
12色セットというのもあるけれど、18色の方が追加で購入したい色が揃っています。
赤と白では作れないオペラレッド、同じく赤と黄色で作れると思いきやここまでフレッシュでジューシーな色を作るのは難しいオレンジ、バリエーションのほしいグリーン系にはミドルグリーン、一瞬でなくなりそうなホワイトは2本入っています。
ただ11mlでは2本あっても足りないかもしれないので、20mlチューブをもう1本くらい追加しても良いかなと思います。
絵を描くこと自体が初めてで画材を何も持っていないという方には、パレットと筆もセットに入っているクリエイトセット(M)がオススメです。
こちらのセットにはオレンジやミドルグリーンは入っていませんが、オペラレッドが入っているのとすぐになくなるホワイトが20mlで2本入っています。
というわけで初心者の方におススメするターナー製ポスターカラーのセットは
クリエイトセットは(M)のほかにも(B)というのがありますが、オペラレッドが入っているのは(M)のセットだけですのでご注意を。
ふだん透明水彩を使っている方は想像できないかもしれませんが、ポスターカラーで絵を描くときにはモリモリホワイトを消費します。
ポスターカラーのホワイトは透明水彩で描いた絵の上からハイライトにすることも出来ますし、何かと重宝するので迷ったら容量の大きい方を買っておくと間違いないです。
11mlというのはポスターカラーというコテっとした絵の具の使い方ではあっという間に使い切ってしまう量ではないかなと思うので、本当にお試し的な使い方で買うサイズ感です。
使ってみて良いなと思われたら、追加で買い足していくのには20mlをとばして40mlのボトル入りにした方が割安でオススメです。
金色・銀色
ターナー製のポスターカラーでは金、銀ともに他の色と同様の練りタイプと粉末タイプがあります。
好みですが粉末タイプは水で溶いて描くだけでは絵の表面への定着力が弱いと思いますので、水彩絵の具に使用できるメディウムと混ぜて使うと良いと思います。
私は面倒なので初めから練りタイプしか買いません。
店頭で確認しないで買うと間違えて粉末タイプを購入してしまうことがあります。
持ったときに妙に軽いと思ったら粉末です。中身の確認をしてからレジへどうぞ。
金色に関してはパールゴールドディープとパールゴールドライトの2色があります。
ディープは赤金、ライトは青金です。
これも好みですが、ライトは繊細な雰囲気が出ますしディープはしっかりした存在感が出せます。
私はパッと見はライトの方が好みですが、実際に使ってみて見映えがしたのはディープだったので、両方持ってはいますが基本的にはディープの方がオススメです。
オススメの色
私がわりとよく使う色でオススメなのはセピア、バーントアンバー、イエローオーカー。
セピアはブラックやグレーの代わりに使うと絵の雰囲気が優しくなりますし、使い方によってはお洒落な雰囲気も出ます。
イエローオーカーはペットの肖像画を描くときに重宝します。
バーントアンバーは混色で作っても良いのですが、使いやすい良い色だなと思って最近になって買うようになりました。
豆知識
ターナー製のポスターカラーはパレットに余ったらコリコリに固まります。
固まると水で薄めても再びキレイに伸びることはありません。
使い終わったパレットは、水で洗う前にコリコリの絵の具を丸めたティッシュなどでこすると簡単に剥がれますので、出来るだけそうして絵の具をはがしてしまって要らない広告などの紙に包んで捨てると洗うときラクですし、水も汚さなくて済みます。
私はわざと使い終わったら2・3日パレットを放置し絵の具が固まったのを見計らってからこすって片付けるようにしています。
ターナー製ポスターカラーの作品例
昨今ポスターカラーといえばアニメの背景画というイメージが先行している感じがありますが、ジブリアニメの背景のようなタッチ以外でも色々描ける絵の具です。
ペットの肖像画とか
日本画風も可能です。
ターナー製 ポスターカラー まとめ
ターナー製のポスターカラーは発色の良さはもちろん、初心者の人でもキレイなムラのないベタ塗りがしやすい絵の具です。
塗り重ねもしやすく、どちらかと言えば水彩絵の具的なにじみを多用して描くタッチよりフラットなタッチやコテコテと塗り重ねるようなタッチがより得意な絵の具だと思います。
色数は45色(ボトルタイプ45色、チューブタイプ27色)です。
もっと色数の多いメーカーもありますが、私が似顔絵の仕事で使うときなどはせいぜい10色もあればじゅうぶん良い絵が出来ますので、混色で色を作るのに慣れればほとんど問題ないと思います。
近年廃番となった色がわりとたくさんあり、私の大好きだったオリーブグリーンがなくなってしまったときには他メーカーさんのポスターカラーに移行しようかと本気で思いましたが、実際に使ってみると絵の具の特徴というか持ち味がそれぞれ異なり、ターナー製のポスターカラーだからラクにキレイに描けるタッチというのもあることがわかりました。
似顔絵の仕事では今後も使い慣れたターナー製のポスターカラーを使い続けたいと思っています。
ポスターカラーという絵の具について詳しく知りたい方はこちら。
ポスターカラーの使い方やグラデーションのコツなどはこちらをご参考にどうぞ。
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