絵画の商品画像を悪質なサイトに無断転載されたときに私がしたこと

誰でも簡単に自分の絵をインターネットを通じて販売できるという、画家にとってはありがたい時代ですが、絵画やイラストの商品画像を無断転載されるなど、嫌な思いをすることも増えていると思います。

私も数年前から吉祥画の販売をECサイトで行っていますが、悪質なサイトに画像や商品の説明文を転載されてしまったことが何度かあります。

はじめて無断転載に気が付いたときは、怒りとともにどうしたら良いかわからないといった不安な気持ちになりました。

絵を描いている他の作家さんに連絡を取ってどうしたら良いか相談もしましたが、まわりに詳しく知っている人がいなかったので、自力で色々調べて対応した経験についてお話しします。

画像の無断転載に気が付いたキッカケ

どうして画像の無断転載に気が付いたかというと、私は自分の商品がGoogleなどのブラウザ検索で表示されるかどうかを時々チェックしていたからです。

絵のモチーフの単語などで画像検索すると、自分の絵とともに心当たりのないサイトが出てきました。

ひとつめは悪質な通販サイトらしきサイトで、商品画像も商品の説明文もそのまま転用されているようでした。

「ようでした」というのは、どう考えても悪質なサイトなので、URLをクリックしてそのページの確認まではしなかったからです。

アクセスしただけで何かが起こるサイトなのか、購入手続きまで行ってはじめて個人情報などを抜き取られるサイトだったのかまではわかりません。

もう一つは素材サイト(に見せかけた?)悪質なサイトのようで、こちらもURLはクリックしていませんが、検索結果には「無料公開画像」として素材を無料で配布しているかのような説明が書かれていました。

「…無料公開画像って何やねん」

「ネット上に自分で公開してるから無料でしょ」っていう身勝手な言い訳?

ムカつく。なんなんこれ。どうにかしたい。

怒りをぶつけるところがなくて、本当にしんどかったです。

でも落ち着いて対応するしかないと思い直し、知り合いの作家さんに聞いてみたり、ネット上に画像の無断転載についての対応策が出ていないか調べたりしました。

無断転載された画像を削除させるには

無断転載された画像や商品情報の削除のための方法として見つけたのは、発信者情報開示請求

無断転載している相手がどこの誰かを知る手続きです。

相手に直接コンタクトをとって画像を削除させるという方法です。

これには個人で対応するといちいち印鑑証明が必要になったり、サイト運営者にこちらの個人情報を知られてしまう…というのがネックになりますし、任意なので請求しても開示されるとは限らず訴訟を前提とするようなおおごとなので、あきらめました。

とりあえずすぐに出来そうなことと言えば、自身のホームページやSNSで転載されていることをアナウンスするくらい。

…なんでやねん。

なんかもっと出来ることはないの。

詐欺サイトやったら他の人に被害が出ることだってあり得るんじゃないか…なんて考えたあたりで髪の毛逆立ちそうになってきて、結局警察に相談しました。

ちょっと話が逸れるのだけどね、私ごくたまにですけど警察に相談するんですよ。

さすがに相談で110番にはかけないですけどね、警察って110番の他に地域課といって、それぞれの地域の警察署ごとの問い合わせ窓口(派出所ではない)があります。

その地域課ごとに電話番号があって、そこに電話すると対応部署につないでちゃんと話を聞いてくれるんですよ。

例えば通勤通学の電車でチカンにあったとします。

110番してもいい案件だと私は思うけれども、110番のハードルが高いと感じた場合、地域課に電話してみてください。

例えば、気持ち悪くて怖くて同じ時間の電車に乗れないと相談したら、おそらく私服警官が同じ電車に乗ってくれるなど、パトロールを強化してくれるような対応をしてくれると思います。

あなたの地域の地域課の電話番号は検索すればわかるので、気になる方は調べてみてください。

私はお守り代わりにスマホに地域課の電話番号を登録しています。

話を戻しましょう。

私はとにかくダメもとで地域課に電話してみました。

たしか警察にはサイバー警察があったはずだしね。

電話してみると案の定「画像の削除依頼はご自分で…」という返答。

しかも電話に出た方はネット用語がまるで通じない様子。

とりあえずネット関連部門の方に電話を代わっていただいて、やっぱりまた「削除はご自分でGoogleさんへ」的なご説明を受け、あとは「ご自身のサイトに注意喚起のお知らせを」ということだったので、それはすでにしておりますと伝えると、「ネットショップ関連なら消費生活センターへも報告してください」とのこと。

消費生活センターに悪質サイトについて報告すると、悪質なサイトの一覧表にそのURLが登録されるそうです。

消費者庁のホームページにはそういった一覧表があるので、そのサイトが悪質だと確認されたら登録されるのだと思います。

消費生活センターも検索すれば、あなたの地域の連絡先が見つかるはずです。

さいごに電話を切る前に「画像を無断転載した悪質なサイトのURLが今わかっているので、一応お伝えしておきます」と言って(私しつこいのよ)、悪質サイトのURLと元の画像のある私のショップのURLも伝えておきました。

さて、その後に情報開示請求とは別の方法で、画像を無断転載されたページをGoogleの検索結果に表示させない方法もあることを知り、それをやるしかないなぁと思いつつ、日々の生活もあるので半月ほどその件は放置していたのですが、いよいよやるかと用意のために改めて検索してみると、あの悪質サイトが検索結果に表示されなくなっていました。

警察では運営サイトやGoogleに直接は「対応できない」ということだったので、どういう経緯で表示されなくなったのかはわかりません。

結果的には自分でしなくて良くなったのですが、私がしようとしていたGoogleへのインデックス削除の申し立てについて、少し古い記事ですが鈴木謙一さんという方のブログに詳しくやり方が載っていましたので、リンクを張っておきます。

商品画像を無断転載されて気付いたこと

実際に自分が商品画像を転載されて気が付いたことがあります。

ひとつは悪質サイトのURLや表示が変だっていうこと。

日本のサイトの場合、多くは.jpとか.com、.netなどがURLの最後尾につくことが多いと思うのですが、私が転載されたサイトは.ukでした。

商品の説明文が日本語で表示されているのに.ukて違和感ありますよね。

サムネイル画像も、もともと縦長だった商品画像が無理やり押しつぶされるような形で正方形になっていたため、画像の表示が崩れていました。

もうひとつは、無料公開画像なんて書かれてあったけど、私はその画像にちょっといやらしいくらい大きめにショップのロゴとAII right reservedとまで透かしを入れていました。

どちらの場合も、見た人は「ちょっと変だな」と気が付いたかもしれません。

私自身はこういったちょっと違和感のあるサイトのURLは踏まないように気を付けています。

この、.jpとか.com、.netなどの部分が変なサイトですが、詳しい先生にお伺いしたところ、色んなサイトの記事などを自動的に使ってフィッシングサイトなどに飛ばすようです。

たぶんロボットがしているということで、イタチごっこのようなものだそうです。

ホームページを持っている方は、Googleサーチコンソールにサイトをきちんと登録しておくことでGoogleさんもどれが本家のサイトかわかるはずなので、悪質なサイトはじきに表示されなくなったりするので、ほうっておけば良いとのことでした。

もし本家のサイトより上位にそういったサイトが上がってきてしまった場合のみ、先ほどご紹介したGoogleへの申し立てをすると良いとのことでした。

まとめ

とりあえず、絵画作品の商品画像や文章の無断転載に気が付いた後に私が行ったことはこんな感じでした。

個人で対応しやすいことは、サイトをきちんとGoogleサーチコンソールにつないでおくことと、検索した時にGoogleに表示させないようインデックス削除の申し立てをすることかな、と思います。

(インデックス削除については、嘘の報告など不正な申し立てについては著作権侵害とみなされず、削除されません。)

情報開示請求は画像の無断転載より、誹謗中傷の書き込みへの対応で使うことが多いようですね。

(掲示板サイトなどへの誹謗中傷の書き込みに対する情報開示請求の場合は、運営サイトへは自分の情報は知られますが、誹謗中傷を書き込んだ人物には知られないようにして請求することが出来ます。)

通販がからむなど悪質な場合は、自分以外にも被害が出ないよう被害を受けていることを発信することや、消費生活センターに届け出ると良いと思います。

そして、前提として発信する画像にロゴなどの透かしは入れておいた方が良いですよ。

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MIRAデザイン画家
絵が上達したい・自分の描いた絵を売ってみたい人へ、上達のヒントや画家活動の悩みの解決方法、画材などについて発信しています。 以前は画廊に勤め毎日絵を販売していました。 現在は師匠と吉祥画を制作販売したりリアル系似顔絵の注文を受けたり、絵画講師をしながら独自の支持体と不透明水彩、金箔などを使って絵を描いています。 ブログに書ききれない情報はメルマガで。 一生役立つ水彩画のテクニック講座が気になったら、おトクなオープニング価格のうちに体験してみてくださいね。 2025年2月、大阪堺筋本町の誠華堂にて展示。