美術館に何着ていこう、ドレスコードはある?
知らないと困る美術館のマナーは?
この記事では初心者の方でも安心して美術館にお出かけ出来るよう、美術館に行くときに適した服装や鑑賞中のマナーについて、わかりやすくお話しします。
美術館でのオススメの鑑賞の仕方については別の記事で詳しく説明しています。
もくじ
美術館に行く服装
美術館へ行くときの服装に特別な決まりはありません。基本的に自由です。
フォーマルのような装いでも良いし、Tシャツにデニムでも大丈夫。
美術館とは、とびきりお洒落をしようと普段着でぶらっと出かけようとOKなところです。
美術館での服装マナー
スタイルとしての服装に特に決まりはありませんが、気を付けたいマナーもあります。
ネックレス
長いネックレスや大きなペンダントトップのついたネックレスは壁面の展示作品を見るときには問題ありませんが、のぞき込むように見る置き型の展示作品を鑑賞するとき、ショーケースに当たってしまったり、むき出しで展示されている作品の場合は作品そのものに当たってしまう恐れがあります。
私は昔、大きなペンダントトップのついたネックレスをして美術館に行ってしまったことがあり、ショーケースにカチンと当ててしまいました。
作品は無事でしたがとても焦りました。
その後は片手でペンダントトップを握りしめ、ぶつけないようにしながら展示を見たのですが、二度と長いネックレスはして行かんとこと思いました。
ネックレスをして行くときは短め、ペンダントトップはプラプラしないスッキリしたデザインのものにしておくのが安心です。
靴
静かな美術館内では靴音が響きやすいです。
うっかりコツコツと高い音のする靴で美術館に行ってしまい、自分が歩くたびに音が響くのが気になり、ソロリソロリと歩く羽目になったことがあります。
着物で美術館へ行くのも素敵ですが、浴衣のときはカラコロ音の鳴る下駄ではなく底にゴムのついている下駄や草履をおススメします。
美術館での服装は音と展示物を傷つけないように気を付けるというマナーを守れば基本的になんでもOK、ご自由に楽しんでください。
展覧会の作品の世界観に合わせたコーディネートで行くのも、絵と現実の世界が混ざり合って楽しいですよ。
美術館での10のマナー
美術館を楽しく過ごすためのマナーを10個にまとめました。
美術館でのマナー ①荷物を預ける
美術館では大きな手荷物や傘などで展示物をキズ付けたりすることの無いように、ロッカーに預けるのがマナーです。
荷物が大きすぎてロッカーに入らない時は、スタッフさんに声をかけるとロッカーとは別に預かってもらえます。
貴重品だけを持って身軽に鑑賞するのが◎。
貴重品を入れられるサコッシュのようなものを持っていると便利かもしれません。
美術館でのマナー ②飲食しない
美術館の展示室内では飲食禁止です。
これも展示物の保護の為。
ペットボトルを手に持って鑑賞するのもNGです。
…なんて偉そうに書いていますが、以前、夏の暑い時に飲み物を買ってペットボトルを手に持ったまま会場へ入ってしまい、注意を受けたことがありました。当然ですよね。
蓋はきっちりしめていましたが、思わぬ事故をふせぐためにもカバンにきちんとしまうとか、そもそもロッカーに預けておかないといけなかったなぁと思いました。
美術館でのマナー ③さわらない
美術館の展示物にはさわってはいけません。
美術館でのマナー ④近づきすぎない
さわらないのは当然のことですが、美術館では展示物に近付きすぎないようにするのもマナーです。
張られたロープには当たらないように下がって鑑賞してください。
壁面に展示されている場合、大抵はアクリルガラス越しに見ることになりますが、透明度が高く映りこみの少ないとても良いアクリルが使われていることがあります。
こういったアクリルの場合、圧迫感を感じにくく一生懸命作品を見ているとつい前のめりになりますが、アクリルガラスにぶつからないよう気を付けてくださいね。
特に美術館内が混んでいる時、最前列にいる人がアクリルすれすれまで近くにいると、2列目3列目からは展示作品が見えません。
最前列の人が少し余裕をもって前をあけてくれるだけで、後ろの人も見やすくなります。
美術館でのマナー ⑤電話
美術館で鑑賞中は携帯電話、スマホはマナーモードが◎。
私は以前はフライトモードにしたり電源を切っていましたが、そこまでしなくてもマナーモードでじゅうぶんと思います。
ただ、もし電話がかかってきても緊急でなければ展示室内では電話に出ないでくださいね。
たまに電話に出て話しはじめる方を見ることがありますが、監視員さんがとんで行って注意されています。
美術館でのマナー ⑥会話
美術館の展示室内では会話は控えめに。
会話していけないわけではないようですが、実際は美術館での鑑賞中に会話が聞こえるのを嫌う方は多いように感じます。
私も誰かと一緒に見に行くときはつい「良いね」と顔を見合わせて小声で話してしまいますが、ひと言ふた言ですませるようにしています。
展覧会の感想は美術館を出た後に思う存分おしゃべり出来ますし、鑑賞中は会話は出来るだけ控えるほうが周りに優しいと思います。
話し声が大きかったり長くしゃべっている方のところには、監視員さんが注意しに行かれるのをよく目にします。
美術館でのマナー ⑦人の前を横切らない
美術館に限ったことでもないと思いますが、作品を見ている人の前は出来るだけ横切らないようにするのがマナーです。
前のめりに作品に近付いてしまう人もいる一方で、少し離れて全体像を眺めたい方もおられます。
混んでいる時は仕方ありませんが、私はなるべくそういう方の前を横切らず後ろに回るようにしています。
美術館でのマナー ⑧順路
美術館の展示ではテーマに沿って順路が示されています。
基本的には順路の通りに進みますが、順路は絶対ではありません。
作品を見るスピードは人によってさまざま、自分の前にいる人があまりにもゆっくりだとひとつ作品を見るごとに前がつかえてしまい見づらく感じることもありますし、人気の絵の前に人だかりが出来て見にくいというときもあります。
そんな時は周りを見渡して空いているところを先に見るなど、臨機応変にして大丈夫。
順路の逆行についても特にマナー違反ではないようです。
美術館の展示会場を出てしまうと再入場が出来ませんから、「やっぱりあの絵をもう一度見ておきたい!」というような場合には、順路を逆行してもう一度見に行くということも可能です。
ただし美術館がとても混雑しているときは人とぶつかるなどして危ないので、あきらめた方が良いかもしれません。それも臨機応変に判断すれば大丈夫。
順路の逆行についてはしていいともしてはいけないとも確認したことはありませんが、基本的に美術館の監視員さんはダメなことに関してはすぐに注意をされます。
長年美術館に足を運んでいますが順路の逆行を注意されたことは一度もありませんので、まわりをよく見て他の方の邪魔にならないようなら、戻って気になる作品を見ても大丈夫です。
展示フロアが複数階に分かれているような美術館の場合は、フロアを移動してしまうと元のフロアには戻れないことがあるので、そこはご注意を。
美術館でのマナー ⑨撮影
この頃は美術館の展示品の一部の撮影が可能になっている展覧会が多いです。
大抵は撮影OKというマークが作品に添えられていますが、撮影NGというマーク以外はすべてOKという美術館もあります。
撮影して良いという作品に関してはスマホなどで撮影可能ですが、作品保護のためフラッシュは使用せずに撮影するのがマナーです。
以前撮影可能な展覧会に行ったとき、ケースに入っていない作品を上からのぞき込むようにして撮影するのはNGと予め説明を受けたことがあります。
お客様が撮影する時に手を滑らせて落としたスマホが陶器の作品を割ってしまった、という出来事があったのだそうです。
思わぬ事故防止のためにも上から撮影するのは控えてくださいね。
また、シャッター音も続けざまに聞こえるとあまり気持ちの良いものでもないので、無音で撮影できるカメラアプリを使って撮影されることをオススメします。
私が使っているカメラアプリはStageCameraPro(iosのみ対応)というアプリです。
実際には無音でなくシャッター音はするのですがとても小さな音なので、もともとスマホにあるカメラアプリより気にせず使えます。
撮影した作品の画像については個人的にSNSなどにアップするのはOKのようですが、商用などそれ以外の用途に使いたいときには注意が必要です。
この場合はマナーというより著作権などの権利の問題です。
美術館でのマナー ⑩子供
子供の頃からノビノビと美術鑑賞できたら素敵ですが、日本では子供連れで美術館へ行くという文化はあまり根付いていないように感じます。
おとなしくついてこれる子もいますが、子供とは大抵じっとしていられないもの。
ウロチョロ歩き回ったり「つかれた、のどかわいた」「ぎゃーん」となってもふつうですよね。
怪獣のようになってしまうことが予想されるなら、お子さんは預けて見に来られる方が落ち着いて見られるのでは。
なかには子供も歓迎という趣旨のイベントのある日や展覧会もありますので、そういう場合は展示品に触らない、大声を出さない、走らないなどのマナーを教えてあげながら一緒に楽しんください。
ちょっと賑やかかもしれませんが、子供も歓迎するような趣旨の展覧会なら、まわりの人も神経質にならずに見守れたら良いですよね。
まとめ
美術館はわりと自由な場所です。
気を付けたいマナーもありますが、作品を傷つけないことと、まわりの人にも思いやりを持てたら気持ちよく鑑賞できると思います。
堅苦しく考えず、美術館を楽しんできてくださいね。