はじめてでも安心・美術館に合う服装と10コのマナーを知り楽しもう

美術館に何着ていこう、ドレスコードはある?

知らないと困る美術館のマナーは?

この記事では初心者の方でも安心して美術館にお出かけ出来るよう、美術館に行くときに適した服装や鑑賞中のマナーについて、わかりやすくお話しします。

美術館でのオススメの鑑賞の仕方については別の記事で詳しく説明しています。

美術館に行く服装

美術館へ行くときの服装に特別な決まりはありません。基本的に自由です。

フォーマルのような装いでも良いし、Tシャツにデニムでも大丈夫。

美術館とは、とびきりお洒落をしようと普段着でぶらっと出かけようとOKなところです。

美術館での服装マナー

スタイルとしての服装に特に決まりはありませんが、気を付けたいマナーもあります。

ネックレス

長いネックレスや大きなペンダントトップのついたネックレスは壁面の展示作品を見るときには問題ありませんが、のぞき込むように見る置き型の展示作品を鑑賞するとき、ショーケースに当たってしまったり、むき出しで展示されている作品の場合は作品そのものに当たってしまう恐れがあります。

私は昔、大きなペンダントトップのついたネックレスをして美術館に行ってしまったことがあり、ショーケースにカチンと当ててしまいました。

作品は無事でしたがとても焦りました。

その後は片手でペンダントトップを握りしめ、ぶつけないようにしながら展示を見たのですが、二度と長いネックレスはして行かんとこと思いました。

ネックレスをして行くときは短め、ペンダントトップはプラプラしないスッキリしたデザインのものにしておきましょう。

静かな美術館内では靴音が響きやすいです。

ハイヒールなどコツコツと高い音のする靴は避けましょう

着物で美術館へ行くのも素敵ですが、浴衣のときはカラコロ音の鳴る桐の下駄などは控えましょう。

美術館での服装展示物を傷つけないように気を付けるというマナーを守れば基本的になんでもOK、ご自由に楽しんでください。

美術館での10のマナー

美術館を楽しく過ごすためのマナーを10個にまとめました。

美術館でのマナー ①荷物を預ける

美術館では大きな手荷物や傘などで展示物をキズ付けたりすることの無いように、ロッカーに預けるのがマナーです。

荷物が大きすぎてロッカーに入らない時は、スタッフに声をかけるとロッカーとは別に預かってもらえます。

貴重品だけを持って身軽にして鑑賞しましょう。

貴重品を入れられるサコッシュのようなものを持っていると便利かもしれません。

美術館でのマナー ②飲食しない

美術館の展示室内では飲食禁止です。

これも展示物の保護の為です。

ペットボトルを手に持って鑑賞するのもNGです。

…なんて偉そうに書いていますが、以前、夏の暑い時に飲み物を買ってペットボトルを手に持ったまま会場へ入り、注意を受けたことがあるんです。

自分では蓋をきっちりしめているから大丈夫と勝手に思っていましたが、思わぬ事故をふせぐためにもカバンにきちんとしまうとか、そもそもロッカーに預けておかないといけなかったなぁと思いました。

美術館でのマナー ③さわらない

美術館の展示物にはさわってはいけません。

美術館でのマナー ④近づきすぎない

さわらないのは当然のことですが、美術館では展示物に近付きすぎないようにするのもマナーです。

張られたロープには当たらないように下がって鑑賞しましょう。

壁面に展示されている場合、大抵はアクリルガラス越しに見ることになりますが、透明度が高く映りこみの少ないとても良いアクリルが使われていることがあります。

こういったアクリルの場合、圧迫感を感じにくく前に前に近寄って見てしまうせいか、手をついてしまった跡やおでこをぶつけた脂っこい跡が残っているのを見かけることがあります。

一生懸命作品を見ているとつい前のめりになりますが、アクリルガラスにぶつからないよう気を付けましょう

特に美術館内が混んでいる時、最前列にいる人がアクリルすれすれまで近くにいると、2列目3列目からは展示作品が見えません。

最前列の人が少し余裕をもって前をあけてくれるだけで、後ろの人も見やすくなります。

美術館でのマナー ⑤電話

美術館で鑑賞中は携帯電話、スマホはマナーモードにしておきましょう。

私は以前はフライトモードにしたり電源を切っていましたが、この頃はそこまでしなくてもマナーモードでじゅうぶんかなと思っています。

もしかかってきても展示室内では電話に出ないようにしましょう。

たまに電話に出て話しはじめる方を見ることがありますが、監視員さんがとんで行って注意されています。

美術館でのマナー ⑥会話

美術館の展示室内では会話は最小限にしましょう。

会話をしてはいけないわけではないようですが、実際は美術館での鑑賞中に会話が聞こえるのを嫌う方は多いように感じます。

私も誰かと一緒に見に行くときはつい「良いね」と顔を見合わせて小声で話してしまうこともありますが、ひと言ふた言ですませるようにしています。

展覧会の感想は美術館を出た後に思う存分おしゃべり出来ますし、鑑賞中は他の方のためにも会話は出来るだけ控えめにするほうが良いと思います。

話し声が大きかったり長くしゃべっている方のところには、監視員さんが注意しに行かれるのをよく目にします。

美術館でのマナー ⑦人の前を横切らない

美術館に限ったことでもないと思いますが、作品を見ている人の前は出来るだけ横切らないようにするのがマナーです。

前のめりに作品に近付いてしまう人もいる一方で、少し離れて全体像を眺めたい方もおられます。

混んでいる時は仕方ありませんが、私はなるべくそういう方の前を横切らず後ろに回るようにしています。

美術館でのマナー ⑧順路

美術館の展示ではテーマに沿って順路が示されています。

基本的には順路の通りに進みますが、順路は絶対ではありません。

作品を見るスピードは人によってさまざま、自分の前にいる人があまりにもゆっくりだとひとつ作品を見るごとに前がつかえてしまい見づらく感じることもありますし、人気の絵の前に人だかりが出来て見にくいというときもあります。

そんな時は周りを見渡して空いているところを先に見るなど、臨機応変にして大丈夫です。

順路の逆行についても特にマナー違反ではないようです。

美術館の展示会場を出てしまうと再入場が出来ませんから、「やっぱりあの絵をもう一度見ておきたい!」というような場合には、順路を逆行してもう一度見に行くということも可能です。

ただし美術館がとても混雑しているときは人とぶつかるなどして危ないので、あきらめた方が良いかもしれません。それも臨機応変に判断すれば良いと思います。

順路の逆行についてはしていいともしてはいけないとも確認したことはありませんが、基本的に美術館の監視員さんはダメなことに関してはすぐにとんで来られて注意をされます。

長年美術館に足を運んでいますが順路の逆行を注意されたことは一度もありませんので、まわりをよく見て他の方の邪魔にならないようなら、戻って気になる作品を見ても大丈夫です。

展示フロアが複数階に分かれているような美術館の場合は、フロアを移動してしまうと元のフロアには戻れないことがあるので、そこはご注意を。

美術館でのマナー ⑨撮影

この頃は美術館の展示品の一部の撮影が可能になっている展覧会が多いです。

大抵は撮影OKというマークが作品に添えられていますが、撮影NGというマーク以外はすべてOKという美術館もあります。

撮影して良いという作品に関してはスマホなどで撮影可能ですが、作品保護のためフラッシュは使用せずに撮影するのがマナーです。

以前撮影可能な展覧会に行ったとき、ケースに入っていない作品を上からのぞき込むようにして撮影するのはNGと予め説明を受けたことがあります。

お客様が撮影する時に手を滑らせて落としたスマホが陶器の作品を割ってしまった、という出来事があったのだそうです。

思わぬ事故防止のためにも上から撮影するのは控えましょう。

また、シャッター音も続けざまに聞こえるとあまり気持ちの良いものでもないので、無音で撮影できるカメラアプリを使って撮影されることをオススメします。

私が使っているカメラアプリはStageCameraPro(iosのみ対応)というアプリです。

実際には無音でなくシャッター音はするのですがとても小さな音なので、もともとスマホにあるカメラアプリより気にせず使えます。

撮影した作品の画像については個人的にSNSなどにアップするのはOKのようですが、商用などそれ以外の用途に使いたいときには注意しましょう。

このブログでも展覧会のレビュー記事に美術館で撮影した画像を使用していますが、美術館に掲載可能か確認をとっています。

この場合はマナーというより著作権などの権利の問題です。

美術館でのマナー ⑩子供

子供の頃からノビノビと美術鑑賞できたら素敵ですが、日本では子供連れで美術館へ行くという文化はあまり根付いていないように感じます。

おとなしくついてこれる子もいますが、子供とは大抵じっとしていられないもの。

ウロチョロ歩き回ったり「つかれた、のどかわいた」「ぎゃーん」となってもおかしくありません。

怪獣のようになってしまうことが予想されるなら、お子さんは預けて見に来られる方が落ち着いて見られて安心です。

なかには子供も歓迎という趣旨のイベントのある日や展覧会もありますので、そういう場合は展示品に触らない、大声を出さない、走らないなどのマナーを教えてあげながら一緒に楽しんで良いと思います。

ちょっと賑やかかもしれませんが、子供も歓迎するような趣旨の展覧会なら、まわりの人も神経質にならずに見守れたら良いのではないかと思います。

まとめ

私は10代20代の頃は神経質だったので、美術館で会話している人や自分の前に割り込んでくる人がいると正直ムッとすることもありました。

でも今は、他の人のマナーがどうのというのはあまり気になりません。

そもそも美術館は自分の為だけの貸し切りではありませんし、なにもかも自分の思い通りにはならなくて当然ですから。

自分自身は迷惑にならないように心掛けながら、他の人のマナーに目くじらを立てず展覧会の内容を楽しむことに集中するようにしています。

美術館はわりと自由な場所です。

気を付けたいマナーもありますが、作品を傷つけないことと、まわりの人にも思いやりを持てたら気持ちよく鑑賞できると思います。

堅苦しく考えず、美術館を楽しんできてくださいね。

ABOUT US
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ミラデザイン画家
似顔絵肖像画を描いたり師匠のアシスタントをしながら制作活動をしています。好きな画材はポスターカラー、不透明水彩、日本画の絵の具。琳派とヨーロッパアンティーク風の絵が好きです。画家活動や画廊で長く働いた経験から得た、絵の描き方やリアルなアートの話のほか、生きづらくて苦しんだ後にたどり着いた、前向きでラクな考え方や肩の力を抜いた楽しい生き方についても書いています。