絵画の梱包にはいくつかの方法があります。
ECサイトで売れたときや展覧会で売れても会期後の発送にするときなど、絵画を配送でお客様にお届けする必要があるとき、配送中に額縁が壊れたりしないか気になりますよね。
絵画を安心してお届けするための安全な梱包の方法をお伝えします。
もくじ
絵画の梱包方法
絵画を梱包すると言っても、小さなキャンバスのみ送るという場合もあれば、額装された重い大きい絵、額縁なしの絵(シート)のみの場合など様々です。
それぞれのパターンについて説明する前に、額縁の箱と額縁の間にスキマがないか確認しましょう。
額縁は四隅の角が一番弱く、ここを強くぶつけると簡単に壊れます。
スキマがある場合はプチプチで角当てを作り、額縁の角にかぶせて箱に入れます。
それでは梱包方法を見ていきましょう。
小さな絵画を梱包する
F0号、SMサイズのキャンバスなど、小さな絵画を配送するときは宅急便コンパクトが便利です。
宅急便コンパクトのサイズは縦20cm・横25cm・高さ5cmとなっていますが、実際に中に収めることの出来るサイズは縦19.3cm・横24.7cm・高さ4.7cmまでです。
通常の宅急便の料金より少し安く送れます。
補償(3万円まで)があり、日時指定が可能です。
宅急便コンパクトの専用BOXを用意します
(税込み70円。宅急便の集荷をしているコンビニやヤマト運輸の事業所などで購入可能。専用の配送伝票と一緒に準備しましょう。)
キャンバスのみを発送する場合や、箱のない小さな額縁はPP袋に入れます
運送中に箱の中で作品が動かないように固定します
オプション資材のクイックフィットエコノ(税込み80円)を使用することも出来ますし、作品をプチプチで包み詰め物を入れても良いし、プチプチで包んだあとで箱の内側に梱包用のテープで貼りつけ、動かないようにしてしまう方法もあります
箱を閉じたら完成
額装品の絵画をリサイクル材で梱包する
額装した絵画を一番簡単に梱包する方法は、通販で購入した額縁が届いたときに使われていた段ボールで梱包する方法です。
もともと額縁を配送するための段ボールなので安心ですし、意外と時間をとられる梱包作業を短縮できてラクです。
こちらは予め販売するサイトにリサイクル材を使用することを記載しておけばクレームになりません。
ただし、絵画をプレゼントの贈り先に直接お届けする場合や、画家としてのブランドイメージを優先させたい場合、気になるレベルの段ボールの汚れがある場合は、リサイクル材で梱包するのは避けましょう。
額縁(の箱)をプチプチで包む
段ボールに入れる
隙間があれば詰め物を入れて閉じ、梱包用のテープでとめて完成
梱包用のテープは茶色いガムテープでも良いですが、ガムテープの場合、ガムテープ同士が重なった部分はくっつきません。
透明のテープは重ねた部分もつくので安心です。
ガムテープも透明のテープも100均で買えるものは強度がなく簡単にやぶれる為、絵画の梱包には向いていません。
3Mなどのしっかりしたテープがオススメです。
額装した重い大きい絵画を巻き段ボールで梱包する
額装した絵画を箱型の段ボールを使わずに梱包する方法です。
絵画が大きい場合やプレゼント用でリサイクル材を使えない場合などは、巻き段ボール(巻きダン)で梱包して送ります。
額縁(の箱)をプチプチで包む
巻きダンで巻き、向かって右側を上にし梱包テープでとめる
巻きダンの筒状になった部分の両端を、中の箱ギリギリのところまで切り込みを入れる
切り込みの上の部分を箱にそわせてたたみ、下側の巻きダンと一緒に折り上げる
額縁の角を包み込むようにして梱包テープでとめる
運送のとき丁寧に扱ってもらえるよう注意書きする
巻きダンは業務用では固く分厚いものがありますが、包材屋さんや通販で一般向けに販売されているものはあまり分厚くなく、柔らかいものばかりです。
額縁の箱が硬くしっかりしているものなら1重で大丈夫ですが、厚紙のようなペラペラした弱そうな箱の場合は、様子を見てプチプチか巻きダンを2重にするほうが安心です。
絵画のシート(紙)だけを梱包
絵画をシート状のまま梱包する場合、折れ曲がらないように注意しなくてはいけません。
業者向けには1枚もの(2つ折り)の段ボールがありますが、少量ずつしか必要ない場合は箱型の段ボールの大きな面をカットして用意できます。
絵画(シート)をPP袋に入れる
1枚ものの段ボールを2枚用意する
(段ボールが柔らかい場合は4枚用意して重ねて使う)
PP袋に入れた絵画を段ボールにテープで貼りつける
段ボールを重ね合わせ、セロテープなどで数か所仮どめする
強度が増すように、必ず2枚の段ボールの波の向きが交差するように重ねる
梱包用テープで一周グルリととめる
運送のとき丁寧に扱ってもらえるよう注意書きする
段ボールは包材屋さんに直接買いに行けば1点ずつバラで購入出来ますが、絵画をシートで梱包するには大きな段ボールをカットして使う必要があるため、車でないと買いに行きにくいです。
1枚物の段ボールは通販でも買えるようですが、ロット買いになります。
大きい段ボールのリサイクル材を必要なときだけ手に入れる方法として、私は近所の日用品を扱うお店のオーナーさんにお願いして、お店に置く商品が入荷した時に使われていた段ボールをわけてもらっていました。
リサイクル材を使うときは汚れだけでなく、入っていた商品の匂いが付いていないことにも注意し、印刷されていない面をカットして使いましょう。
絵画を梱包するときの注意点
異物混入に注意
絵画を梱包するときに起こる異物混入、まさかという気がしますが、カッターナイフやハサミの混入を耳にしたことがあります。
特に大きな作品を巻きダンで梱包するときなどは、うっかり上に乗せたハサミなどを一緒に巻き込まないように注意しましょう。
動物を飼っている人は毛の混入に注意しましょう。
リサイクル材の使用について
梱包の資材は買い置きしておくと場所をとります。
ロットでしか手に入らない場合もあり費用もかかりますし不便です。
絵画を販売すると決めたらプチプチや巻きダンなど梱包材が必要になりますが、絵画がある程度頻繁に売れるようになるまでは、相手にもよりますがキレイなリサイクル材を上手に活用すると良いと思います。
小さな絵画の梱包について
小さな絵画を梱包する方法は、ご紹介した宅急便コンパクト以外にもクリックポストやレターパックなど、他にも方法はあります。
出来るだけ安くという方はそれで良いかもしれませんが、これから本格的に画家活動をしようという方にはあまりおすすめしません。
ポストに届く簡易な配送方法や補償のないサービスは安くて便利ですが、「大切な作品」「価値ある絵画」というよりも気楽に買える雑貨のようなイメージがつきまといます。
しっかりした梱包と補償や追跡などのあるサービスで配送することで、お客様にも「価値のある良いものを買った」と認識していただけます。
配送料金が高く感じる場合は予め送料込みで絵画の金額を決め、送料無料という形で販売するのがおすすめです。
PP袋とは商品を入れるための透明な袋です。
画家活動をしていると絵画やグッズの販売の際によく必要になります。
シート状のまま絵を保管しておくときにも使用出来ますし、額縁に入っていない状態で絵をお客様にお見せするときなどは、PP袋に入れておくと手で触れることによる作品へのダメージを防ぐことが出来ます。
よく使うサイズはストックしておくと便利。