あなたは普段から画家(作家)用の名刺を持ち歩いていますか?
画家活動を本格的にするなら名刺は必須、それも2種類あると良いですよ。
名刺を渡したところで即ゴミ箱行きになるかもしれないし、仕事につながる確証なんてないけれど、どこでどんなタイミングで良い出会いがあるかわかりません。
名刺を渡して1年以上してから電話がかかってきたなんてことも私は何度かあったので、チャンスは逃さないように常に2種類持ち歩き、ピンと来た人にはお渡ししています。
でもいざ作るとなると名刺には具体的に何を記載したらいいの?肩書きはどうしようと思っている方へ。
画家(アーティスト)が名刺を作るために知っておくと便利なことについてお話しします。
画家の名刺は2種類
画家(アーティスト)は名刺を2種類用意しておくと便利です。
今の時代、個人情報をホイホイ初対面の人に渡してしまうのはこわいですよね。
展覧会場などで誰でも持って帰ることの出来るお客様用の名刺と、企業向けの営業用の名刺を分けて作っておくと安心です。
私は以前、百貨店などで企画イベントをしている会社からの委託で、大規模なハンドメイドマーケット会場に作家さんのスカウトをしに行ったことがありますが、何度も出展されて慣れている作家さんは皆さん、私が声をかけさせていただくと店頭に置いているのとは別の名刺を出してくださいました。
それぞれの名刺について、詳しく説明します。
お客様用名刺
画家さんが展覧会などの会場に置いておく名刺は、自身のWEBメディアへ誘導することが主な目的なので、細かな個人情報まで記載する必要はありません。
- 作家名
- 肩書き
- ホームページやSNS、ショップ
- メールアドレス(省略可)
- 絵
- 顔写真(載せたい場合)
作家名
作家名と読み方がわかるようにローマ字表記も小さく入れます。
本名まで書かなくても大丈夫です。
肩書き
作風によって「画家」、または「イラストレーター」と書く方もいらっしゃいます。
「日本画家」「水彩画家」とか主要画材を入れるのもわかりやすいですね。
絵を描くといっても色々応用が利く人は「デザイン」とか「企画」とか他にも出来ることを併記しておくのも良いと思います。
画家の名刺は会社の名刺とは違うので、ガチガチに考えなくて大丈夫です。
ホームページ、SNS、ショップ
ご自身のホームページのURLやSNSのアカウントを、お客様とコンタクトが取れるように載せます。
名刺にSNSのアカウントを記載するとき、SNSのロゴマークを使いたいという方へ。
ロゴマークはそれぞれのサイトでダウンロードが出来ます。
ロゴマークは利用の際に細かなルールが設けられているので、ガイドラインに沿って利用してください。
- Xのロゴマーク
https://about.twitter.com/ja/who-we-are/brand-toolkit
- Instagramのロゴマーク
https://about.meta.com/ja/brand/resources/instagram/instagram-brand/
- フェイスブックのロゴマーク
ショップがある人はショップのURLも載せましょう。
QRコードも載せておくと親切です。
パソコンでGoogle Chromeを使い、QRコードを作りたいページを開きます。
そのページでマウスを右クリック(MacはControlキーを押しながらクリック)すると「このページのQRコードを作成」という表示が出るので、クリックすると作成されます。
QRコードの右下の「ダウンロード」をクリックするとpng形式のQRコードがパソコンに保存されます。
※GoogleChromeの場合はQRコードの中心に恐竜のマークが入っています。
恐竜を消したい場合はGoogle ChromeではなくMicrosoft Edgeで同様の手順で作成すると恐竜のないQRコードが作れます。
※Adobe ExpressではQRコードの形や色、データ形式を選べますよ。
SNSのロゴマークに関するリンク先を見た人は気がつかれたと思いますが、規約が細かくてめんどくさいです。
私はSNSのロゴは使っていません。
メールアドレス
お客様向けの画家の名刺は、ホームページに問い合わせフォームが設置されているのであれば、必ずしもメールアドレスは無くても良いかなと思います。
迷惑メールが心配な方は省略して良いと思います。
絵
画家の名刺には必ずあなたの絵を入れてください。
絵に文字がかかると読みづらいので、絵のないところだけに文字を入れるとか、文字が読みやすくなるまで絵を薄い色に加工するとか、名刺本来の機能を損なわないようにデザインします。
お客様用の名刺は展覧会場に設置するだけでなく、ECサイトで作品を販売した時には作品と一緒に同送できます。
営業用名刺
企業向けの営業用の名刺には電話番号などもきちんと載せます。
- 本名
- 肩書き
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- ホームページ
- 業務内容
- 絵
- 顔写真(載せたい場合)
本名
営業用の名刺には基本的に本名を記載しています。
作家名と併記して良いと思いますが、私は仕事内容で作家名を使い分けているので、本名の名刺と作家名の名刺の2枚をお渡しすることもあります。
肩書き
これはお客様向けと同じでも良いですし、私の場合は企業さんにどういった形で自分を売り込みたいかによって表現の仕方を変え、名刺を使い分けることもあります。
電話番号
携帯電話番号で大丈夫ですが、アトリエなどの固定電話も書いてあると信用度が増すと思います。
メールアドレス
普段個人的に使用しているメールアドレスと画家の仕事用のメールアドレスは基本的に別のものを使いましょう。
営業用の場合は独自ドメインで取得したメールアドレスの方がプロらしく、信用度が高いです。
ホームページ
作品や仕事の実績を見てもらうためにホームページのURLを載せます。
でも実は私はURLを載せていない名刺も長く使ってきました。
私の場合は絵のジャンルがひとつでなく、まるで方向性の異なるものを描いたり仕事でしているため、営業の時には相手に合わせて資料を作成し、名刺と資料をセットでお渡しするという方法をとっていたからです。
このブログサイトがある程度育ってくれたので、今は実績のひとつとして見ていただけるようにURLを載せるようになりました。
業務内容
肩書きに画家とだけ書いて業務内容を記載しなかった場合、名刺をもらった人は「ああ、画家さんね」とその方の持っている画家さんのイメージの範囲内でしかあなたを見てもらえない可能性があります。
絵を描くと言っても、壁画のオーダーにも対応出来るとか、グッズの制作が得意だとか、実はウェブデザインが本業だとか、自分の絵とセットで出来る仕事があれば、それはぜひ名刺の中に記載しておくことをオススメします。
私の場合は名刺をお渡しするときに、こういうこともしています(圧)と言葉でもお伝えするようにしています。
絵
名刺に業務内容を細かく沢山記載すると絵を入れる場所が限られてきますが、デザインを工夫して絵は必ずどこかに入れてください。
名刺はもらったその時は誰の名刺かわかりますが、時間の経過とともに誰からもらったのか思い出せないということはよく起こります。
絵さえ入れておけば後から名刺を見ても「この絵を描く画家さん」と思い出してもらえます。
画家の名刺は縦横どちらがオススメ?
名刺のデザインを決めるとき、真っ先に考えるのが「縦か横かどちらにしよう」ということではないでしょうか。
一般的にビジネスには縦型が良いとされています。
縦型のデザインはカチッとした印象を受けるので、威厳やキチンと感が出ます。
信用信頼の大切なビジネスマンや画家(アーティスト)でもシッカリした印象を出したい場合には、縦型はオススメです。
では横型はいけないのかと言うと、そんなことはありません。
横型は縦型よりやわらかな雰囲気が出るため、ビジネスでも女性の社長さんや女性向けのサービスと相性が良いデザインです。
カチッとした印象よりアーティストらしい自由な発想やのびのびした印象を出したい画家さんには横型がオススメです。
私は企業向けの営業用には縦型、お客様用には横型で作りました。
画家の名刺と風水
風水って建物や土地のイメージがありますが、名刺にも風水の考え方があるようで面白いですね。
名刺の風水の場合は名刺の形を縦横斜めの8方位(または8方位と中心)にエリア分けして考えます。
画家に関係のある方位(位置)は上部中央エリアで、ここは芸術に関係する方位なのだとか。
名刺の風水では強めたい意味のある方位に会社のロゴマークや名前を配置すると良いそうです。
風水は凝りだすと方位だけでなく色などもありますし、流派(?)によって方位の解釈も違う表現が多く見られますので、気になる方はご自身でじっくり調べてみてください。
画家の名刺を作るとき、特に気を付けたこと
私が画家(お客様用)の名刺を新しくデザインした時、ビジネス用の名刺であればオススメでないデザインの仕方をあえて選びました。
それは表も裏もモリモリに絵を入れることです。
一般的にビジネス用はシンプル。
クリエイターのお洒落な名刺でも、片面に絵や写真が入りもう片面はスッキリシンプルなものが多いですよね。
風水でも名刺は目立ちすぎない方が良いとする流派もあります。
なぜあえて賑やかにするのか。
それは目立たなければ手に取ってさえ頂けないと思ったからです。
画家というのは百貨店で個展が開催されるような人であれば気にする必要はないかもしれませんが、公募展やハンドメイドマーケット、コミケなど多くのクリエイターと一緒の会場で絵やグッズを展示販売する機会が多々あります。
特に大規模イベントに参加する場合は、お客様もすべてのブースをのんびり見てはいただけません。
そんな時、目立たない名刺ではきっと素通りされてしまいます。
たくさんの作家さんがいる中でどうしたら自分に気が付いてもらえるか、パッと目につくデザインにするというのは効果的な方法だと思います。
どうしたらふり向いてもらえるか、どうしたら手に取って持ち帰っていただけるか、あわよくば「2枚もらってきたから1枚あげる」と友達にまで布教してもらえるか。
とりあえずもらっておきたくなる、しばらく部屋に飾っておきたくなる位のデザインを考えてみる価値はあるのではないでしょうか。
とりあえず手に取ってもらえたら、帰りの電車でチラッとホームページやSNSを見てくれるかもしれません。
名刺は相手に受け取ってもらえなければ、ただの紙切れ。
私はそう思ったので両面に絵を入れ、絵が引き立つようにメインのホームページのURL以外、SNSアカウントもショップも公式LINEも全て省略し、リンクボタンサイトのリットリンクのQRコードを載せるという方法をとりました。
これが本当に良い方法かはわかりませんが、私達はクリエイターです。
画家だからこそ出来るあなたらしい名刺のデザインを考える参考にしていただけたら嬉しいです。
まとめ
画家活動に名刺は必ず必要になります。
初めての公募展とかグループ展のときには名刺を作っていない方もおられますが、名刺はお客様だけでなく公募展などで出会った他の作家さんとも交流するキッカケになります。
出会いを大切にする名刺はぜひ展覧会のときには用意してみてくださいね。
名刺は用途に合わせて2種類持っておくと安心です。
おすすめの印刷方法はこちらの記事を参考にどうぞ。