絵の具のバケツ、まだそれ使うの?|絵の上達に合わせて筆洗は選ぼう

絵の具のバケツと言えば、一番に思い出すのは小学校の図工で使う黄色いバケツではないでしょうか。

私も高校生くらいまではずっと黄色いバケツを使っていました。

今も物置かどこかにあると思うのですが、絵が上達するとともにそのバケツでは間に合わなくなり、使わなくなりました。

黄色いバケツも機能的ですが、なぜ使わなくなったのかという理由と用途別のおすすめの筆洗、私や師匠が実際に使っている快適な筆洗の代用品についてもご紹介します。

ミラ

絵の具のバケツは、絵の上達に合わせて変えると作業効率が良くなるよ

絵の具の黄色いバケツを使わない理由

絵の具の黄色いバケツの良いところは、仕切りがあって3つか4つに洗えるエリアが分かれていること。

1カ所2カ所が汚れても、きれいな水のエリアが確保できていると、描くとき重宝します。

持ち手もあるし、軽いけど形も安定していて倒れにくい。

良いところばかりみたいですが、一つ一つのエリアが大きくないというのが難点で、私は刷毛を洗いにくい…というか、刷毛が入らないので黄色いバケツを卒業しました。

絵も初心者のうちは丸筆と面相筆くらいしか使わないことが多いので、黄色いバケツでじゅうぶん事足りるのですが、上達するにしたがって絵筆の種類も増え、刷毛は外せないアイテムになっていきます。

刷毛もサイズによってはそーっと入れれば洗えるものもありますが、ストレスなく洗うには無理が出てきます。

コンパクトに持ち運べるバケツ

絵の具のバケツはこの世に黄色いバケツしかないと思って疑いもしなかった高校生の頃に、コンパクトに重ねて収納できるバケツの存在を知りました。

ミラ

今見ると当たり前の形なんだけど、初めて見たときは「なんてスタイリッシュなの」とカッコよく見えたものよ

サクラクレパスから出ているこの筆洗は小ぶりながらギリギリ刷毛も入る形で、結構長いこと愛用したと思います。

これに似た絵の具バケツが100均でも出ているようですが、この先長く描いていきたいなら僅かな金額の違いなので、画材メーカーさんのを買っておく方が作りもしっかりしていて良いと思います。

コンパクトになるので、外でのスケッチに持っていくのに便利。

師匠はあちこちの百貨店でサイン会に呼ばれたときに持っていくのに重宝されていました。

ミラ

でも、これもやっぱり洗うエリアが狭いのがネックなんだよね…

刷毛は入ってもソーっと洗わないと水があふれてしまうし、大きな刷毛だと入らないので、あくまでも持ち運び用におすすめのバケツです。

中級以上の人におすすめの筆洗

絵も描き慣れてきて、絵の具や筆も増えてきたら、筆洗バケツもそろそろ替え時かもしれません。

陶器の筆洗なら洗うエリアも広く、どっしりと安定していてストレスなく筆も刷毛も洗うことが出来ます。

アトリエで私が使っているのはこの筆洗です。

墨運堂やホルベインから陶器の筆洗は出ていて、サイズもいくつかあります。

水をくんで運ぶときにちょっと重たいですが、使うときには安定感抜群です。

筆洗の代用品

師匠

筆洗一個持って帰るか?

ミラ

重いから良いです (帰る途中で行き倒れるワ)

せっかくもらえるチャンスを断ってしまい、しかもタダだったかもしれないといういやしい考えが頭をよぎり、自室用になかなか新しい筆洗を買わなかった私は、一時期はちみつ梅の入っていたプラスチックの容器を筆洗の代わりに使っていました。

ミラ

結構大きくて深さもあって、刷毛も洗えたのよ

ちょっとカッコつけて、絵の具バケツの代用品になる鉢物を探していて、それが見つかるまでの間と思っていました。

なんで代用品にしたかったかというと、師匠が使っているのがすごく大きくて便利でお洒落に見えたからです。

師匠はアンティークのホーローの洗面器を筆洗にしています。

それを植木鉢をのせるためのアイアンの台にのせると、机と同じくらいの高さになってすごく使い勝手がいい。

大きいから使い終わった絵皿や道具もつけて洗うという…。

私もアンティークにしようと思って、お寺の縁日で染付の深鉢なんかを探したのですが、ガラクタ市みたいなとこでも「良いな」と思うのは結構値段が良くて断念しました。

それを話すと師匠がアトリエにある鉢を出してくださったのだけど、いざ筆洗にしようとすると柄がジャマで水の濁り具合がわかりにくいし、絵を描いているときには模様に気が散ることに気が付いて結局は却下となりました。

ミラ

キレイなんだけどね…

キレイにせなアカンのは絵のほうやしな…

それで自室用の筆洗はホーローのお鍋になりましたとさ。

キズが入ってしまって料理には使えなくなったけど、気に入っていたから捨てられなかったお鍋。

大きくて安定して使いやすいし、持ち手がついているから水をくんで運ぶとき持ちやすくて気に入っています。

仕切りがないから濁ったら水を変えないといけないけど、私はチューブから絞りたてみたいなフレッシュな色より少し彩度を落として絵を描くことが多いから、少々濁っても大丈夫。重宝しています。

フレッシュな色で描く為にどうしてもキレイな水もいるときは、絵皿に少しだけ水を入れて別に用意しておきます。

まとめ

絵の具のバケツは刷毛を使うようになったら、大きいものが必要になります。

陶器の筆洗がおすすめですが、身の回りを探してみると使い勝手の良い代用品が見つかるかもしれません。

画材メーカーさんがきちんと考えて作っておられる筆洗が間違いないかもしれませんが、代用品も愛着がわいてなかなかいいものですよ。

ABOUT US
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ミラデザイン画家
似顔絵肖像画を描いたり師匠のアシスタントをしながら制作活動をしています。好きな画材はポスターカラー、不透明水彩、日本画の絵の具。琳派とヨーロッパアンティーク風の絵が好きです。画家活動や画廊で長く働いた経験から得た、絵の描き方やリアルなアートの話のほか、生きづらくて苦しんだ後にたどり着いた、前向きでラクな考え方や肩の力を抜いた楽しい生き方についても書いています。